七話
七話 少女と夜




急ピッチな展開ながらも
腹が減ってはというもの。今日の夕食は月花と千代女の2人が作っていた。



錬「千代女って料理出来るんだ。」



稲瀬「物事は外見に左右されないものよ。
大事なのは決め付けないこと。」



稲瀬はそう言った。

稲瀬の言うことには
一つ一つ深い意味がありそうで恐い。



奈波「腹減った。
今日は何だ?」



リュカー「少しは静かにして
なさいよ。
料理もロクに出来ないくせに。」



奈波「お前も作れんだろうが。」



リュカー「う、うるさいわよ。私だって玉子焼きくらい
出来るわ!」



奈波「それは俺にも出来る。」



稲瀬「私も出来る。」



アレイスター「私はだし巻きが好きだ。」


リュカーの顔が赤くなる。


リュカー「もう何とでも言えばいい…。

そうだ、貴方は!?」



錬「へ?」



リュカー「貴方は作ったことあるの?」



錬「私は…

肉しか焼いたことが無いわ。」



奈波「肉食女か?」



リュカー「私と同類っ!」



錬「勝手に同類にしないでよ。
食べるものが肉しかなかったの。」



稲瀬がクスクスと笑っている。


稲瀬「魔法の石…はははっ。」



錬「その話はもういい!」



奈波「何だそりゃ?」



稲瀬「いえね、錬がまだ
自分のチカラに気付いてないときの話なんだけれど…」



錬「コラ、稲瀬話すな!」



アレイスター「興味深いな、話してくれ。」



錬「ちょ、館長まで。」



千代女「出来ましたよー。」 月花「出来ましたよー。」



奈波「はっはっはっ、
そいつあ傑作だ。」



リュカー「塩と賢者の石間違えるなんて。
はははっ。

確かに、街中に売ってたら苦労はしないわ。」



千代女「何やら楽しそうですね。」



アレイスター「なあ、千代女。
塩と魔法の石の違いについて、簡単に答えてみろ。」



千代女「…塩はしょっぱいです。」



稲瀬「魔法の石もきっとしょっぱかったのよ。」



錬「もういいから、夕飯
食べましょうよ。」



アレイスター「そうだな、
これ以上からかってしまうと錬の血管がもたんだろう。」



やっとの思いで夕飯に有り付けた。
そのメニューは色とりどりで、錬、奈波、リュカーは他の目を気にせず、大ざっぱに、
稲瀬、千代女、アレイスター、
月花はある程度落ち着いて食べていた。





食後の後片付けも千代女と月花がやることになった。

他は先に部屋へと戻ることにした。



稲瀬いわく、一番はじめに錬が部屋を入ったとき、
強制的に体を休めるため
睡眠を促す術が施されていたらしい。



稲瀬「もうそんな術は無いから、部屋でゆっくりしてなさい。」


なんて稲瀬は言っていたけど…。


錬「殺風景ね。
結局寝ろってことなの?」


思えば今、初めて稲瀬と
出会ってから一番最初の
『一人の空間』にいる。


妖月館の皆と触れ合った
せいか、ついこの間まで
平気だったのに何だろう…

独りが嫌だ。



またあの夢が出てくるのかな?
気になって眠る事さえ出来ない。

落ち着かない…

イライラする…



錬「もう!
何なのよ!!」


破壊衝動を押さえ切れず、錬は枕を投げ付け、ベッドに拳を振り下ろす。



錬「明日は幻想郷に行かなきゃならないのに!
…何で!!」


イライラが治まらない。





ガチャ…


錬「な、稲瀬…。」



稲瀬は若干散らかる錬の
部屋を見渡す。



錬「ごめんなさいっ。
何でもないの。
すぐに片付けるから。」



稲瀬「その前に、涙を拭きなさい。」



錬「えっ。」



錬は驚いた。
自分の顔が濡れていたことに気が付かなかった。



錬「やだ。
何これ?
拭いても…拭いても…
どんどん…

流れて…来ちゃう。」



稲瀬「錬!」




稲瀬は錬を抱き寄せる。



稲瀬「ごまかさないで。
瞳を閉じて。

…我慢しないで。」




その言葉を聞いた瞬間に錬の緊張が解ける。



この感覚を…どこかで知ってる。



錬「う…ううっ。
ごめん…稲瀬、
お願いだか…ら、今だけは、傍にいて。」




稲瀬はずっと抱きしめていた―。















錬「ごめん、もう大丈夫。」



とりあえず錬は呼吸を整える。



錬「私…寂しかったのね。



最初に稲瀬と出会ったときもそうだった。

馴々しいあんたに腹が立って石投げ付けたっけ。


この部屋の有様を見るとおり、私には極度の破壊衝動がある。


何でこんなにイライラするか分からない。
それを考えてしまうと余計にイライラして…。」




稲瀬「貴方は過去が失われているわ。
イライラするのはおかしくないわよ。

ずっと我慢させてしまったわね。」




錬「またあの悪夢を見るのかと思うと、寝るのが怖くてね。

ダメだね、明日幻想郷行くのに…。」




よし!!
と稲瀬は部屋の明かりを消す。



稲瀬「片付けなんて
後回し!
今日は寝ましょう。」




錬「えっ!
寝るって稲瀬…わっ。」


稲瀬はささっとベッドに潜り込み、強引に錬を引きずり込む。




稲瀬「今日は一緒に寝てあげる〜♪」



錬「ちょっ、流石にそれは。

わっ、コラどこに手突っ込んでんの?」



稲瀬「〜♪」



錬「やあっ、ちょっと
稲瀬ーー!!」






その夜錬は悪夢にうなされることは無かった。




















奈波(錬の部屋から
何かを叩きつける波動が
聞こえたからうるさいので稲瀬に見に行って
もらったんだが、

今度はエロい波動が聞こえてきたな…。)





奈波「うるせえ…。」





















<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。
つづくのさっ

w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]
無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ