十話
十話 少女と各々の戦い




二時間前―



アレイスター「よし、準備はいいか?
昨日はちゃんと寝たな?」


奈波「稲瀬がうるさかった。」



錬「稲瀬にベッドから突き落とされた。」



稲瀬「てへっ。」



奈波「てへじゃねぇ。」





アレイスター「うむ、いい感じだ。」



千代女(どこが?)



アレイスター「作戦はさっき言ったとおりだ。
錬、奈波、リュカー。
とりあえずお前ら3人で
パチュリー・ノーレッジを押さえろ。

後は私らでなんとかする。さて、質問はあるか?」







アレイスター「何もないようだ。

それでは行くぞ!
ついてこい。」





向かった先は館長の自室。

奥の部屋にはまた更に暗い部屋が窓から見えた。



奈波「この部屋、何の波動も感じない。

普通、人が歩いたり、今俺が喋ってるだけでも壁や、天井なんかに音が反響するはずなのに。

暗くて何も見えないし。
何なんだこの部屋?」





アレイスター「当然だ。

この部屋の床、壁、天井、至る所に『暗黒物質』が張り付けてある。

闇を形成する成分だ。
光だけでなく、音も熱も、電磁波さえも吸収する。

ここへ連れてきたのは、
空間を開きやすくするためだ。」





館長は床に手をつき、詠唱を唱え始める。




G -en- soky oun I ,


Wat ash ito ,


Min naw otu ,


Re tette !!





バリバリッ!!


突然床が裂ける。
裂け目からは空が見える。



アレイスター「諸君、この下は
すでに幻想郷と繋がっている。

今回の侵入方法を説明する。
私が結界に穴を空けたら
出来るだけ早く飛び込め。

私は一番最後に結界を修復した後、紅魔館の外から
侵入する。

錬、奈波、リュカー、千代女は月花と共に内部へ空間転移しろ。」





稲瀬「私は?」



アレイスター「お前戦闘は苦手だろう。

かと言って、
ここでじっとしているわけにもいかんしな…。」





稲瀬「『好きにしろ。』
って言えばいいのよ。」



アレイスター「そうだな、好きにしろ。

だが、無茶は許さん。」





稲瀬「了解。
貴方たち、申し訳ないけどよろしくね。」




千代女「任せてください。」

奈波「おうよ。」

リュカー「死ななきゃいいわ。」





錬「稲瀬…。」



稲瀬「錬…。」





錬「私って一応戦闘員に
入ってたんだ。」



奈波「そっちかい。」


稲瀬「まあ設定上ね…。
気を付けて頑張りなさい。」





アレイスター「では展開するぞ!


 飛び込め!!」







部屋が物凄い風で包まれる。


皆が一斉に空へ飛び込んだ。





錬「これが、幻想郷…。」



奈波「イーヤッホー!!」





月花「皆さん私に捕まってください。

紅魔館内部へ飛びますよ!」



千代女、リュカー、奈波は右手。
錬、稲瀬は左手を掴む。




月花「内部構造認識。
各担当場所確認。
被術者接触確認。
…行きます。



空間転移!!」
































咲夜「美鈴〜。」



紅魔館のメイド長、
十六夜咲夜は今日も門番
である紅美鈴に昼食を運んでいた。



咲夜「寝てたらどんな
起し方してやろうかしら。」




ドゴォ!


その瞬間だった。
門が破壊されると同時に
美鈴が吹っ飛んできた。



咲夜はとっさに美鈴を受けとめる。



美鈴「くっ。
咲夜さん!!」




咲夜は美鈴の指差した方向に人影を認識する。

そして時間を止めた。





咲夜(ヤツか!)



ナイフを3本、全てをその頭に向けて投げる。




咲夜「動け。」





時が動くと同時にナイフが頭を貫通する。


…はずだった。





ガシャン。



と、ナイフは全て刺さる
直前で粉々になった。





咲夜「なっ。」





アレイスター「おおっ。
コイツは驚いた。

ここのメイドさんは時間を止めるのかい?」





咲夜「生憎、私だけよ。


お前はいつぞやの魔術師!何故この能力が分かった?」




アレイスター「成る程、時間と
契約しているわけか。
あるいはもっと何か、魔法よりの能力(チカラ)か。


失敗続きだがね、世界と
契約をしている最中なんだ。
そのせいか、君が時間を
止めている間も『視力』
だけは働いてくれたよ。



君の時間静止にはルールがあるな。
ナイフが私の顔面直前で
止まったのは、
『止まっている私の世界』に
『動いている君の世界』

影響してはならないからだろう。


君が静止している世界で
影響を及ぼしていいのは、せいぜい『空気』だけだろうな。」





アレイスターは右手の手のひらをその場で咲夜に向ける。




美鈴「咲夜さん!」




咲夜「はっ!」




その時、咲夜の視界には
半透明の『怪物の手』の様なものが爪をたてて、
真っ直ぐにこちらに伸びてくるのが見えた。



咲夜はとっさに左へ跳ぶ。




アレイスター「あれ?
おかしいな、人間の目じゃ見えないはずなんだが。


    ・・・・・
…ああ、そういう事か。」





美鈴「咲夜さん…。」




咲夜「大丈夫よ。
こんなことで『衝動』に
負けたりはしないわ。


それより、貴方は見えるの?」





美鈴「はい。
私は『気』で確認してます。


さっきは寝込みを襲われました。
なんて卑怯な!」



バシッ。

咲夜「なんで門番が寝込みを襲われるのよ。」




美鈴「すみません。
とりあえず、あの気の感じだとあの手は長くて25m。


それ以上は伸びません!」





アレイスター「23mだ。

やれやれ、ここの奴らには使い魔が普通に見えてしまうか。
少々厄介だ。」





咲夜「美鈴!
奴の狙いはパチュリー様の賢者の石よ。

ここを死守するわ!」





美鈴「分かりました。
私が接近戦を仕掛けます。

咲夜さんは後方を!」





咲夜
奇術『ミスディレクション』!!

美鈴
光符『華光玉』!!






アレイスター「面白い…。」





ドカーーン!!











一方、紅魔館内部では…





パチュリー
火符『アグニシャン』!



ドーーン!!





奈波「熱っ!
錬、何とかしろ!」



錬「金属が無きゃ何も出来ないわよっ。

奈波こそ、自慢の波動は
どうしたの?」





奈波「うるせー!
避けるので精一杯だっ。

リュカー変身しろ!」




リュカー「嫌よ。
まだ変身する気分じゃないわ。」






パチュリー「ちょこまかと
うるさい人たちだわ…。


一思いに潰してしまおうかしら。」



パチュリー
金符『シルバードラゴン』。


出てきたのは銀の竜。

錬たち目がけて勢い良く飛んでくる。






奈波「錬!
あれなら行けるだろ?」



錬「バカ言わないで。
錬成する前に食べられちゃうわよ!」





奈波「仕方ねぇな。」



奈波はシルバードラゴンの前に立つ。
今にも踏み潰されそうな
瞬間、それは発動した。





奈波
衝符『剛の波動』!




ドカン!
という音と同時に
シルバードラゴンの脚が砕ける。



ドラゴンがバランスを一瞬 崩したのを、錬は見逃さなかった。




錬「分解させてもらうわ。」



バリバリバリバリ!!!




シルバードラゴンはあっという間に銀の欠片へと変わっていった。






パチュリー「しまった!
錬金術か。」




パチュリー
木火符『フォレストブレイズ』!



瞬く間に炎が錬たちを包む。


しかし、





錬「もう遅い!」





拘束『銀の鎖錠』!!






無数の鎖が広がり、そしてパチュリーの体を捕らえる。




パチュリー「きゃっ。」




そしてリュカーがとてつもない速さでパチュリーに接近する。



リュカー「しばらく外に
いてちょうだい…。」



張り付けたのは紫の札だった。
パチュリーは抵抗する間もないままその場から消えた。
















アレイスター「それはただの壁にすぎない…。

それはただの道にすぎない…。」





咲夜
幻幽『ジャック・ザ・ルビドレ』




アレイスター「それ以上は空(カラ)、それ以下は洞(ドウ)…。」


アレイスター
結界『圧縮プラント』




パリン!パリン!パリン!



ナイフが次々と圧縮され、割れていく。






咲夜「詠唱を唱えながら
私達の攻撃をまともにかわしていくなんて!」




美鈴「くっ。
何を企んでいる!?」




美鈴が攻撃を仕掛けようとしたときだった。



ドスン。


パチュリー「ムキュ!」




美鈴「なっ?
パチュリー様!?」






アレイスター「我らを守り、
彼らを導け!!」





咲夜「まずい!!」



咲夜はとっさにナイフを投げる。
しかし、それが届くことはなかった。






アレイスター「迷宮結界
『MAIG on 0 KONEK OCHAN』!!」






紅魔館の周りが結界に包まれる。




美鈴「させるか!」



美鈴
極光『華厳明星』!!



ズガーン!!





美鈴「…っ!
そんな…。」




結界にはヒビ一つ入ってはいなかった。


















アレイスターの詠唱はよく読むと『幻想郷に、』
『わたしと、』
『みんなを、』
『連れてって!!』
と読めます。

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