十一話
十一話 少女と衝動




咲夜「ハメられたわね。」




美鈴「くっ。
待てっ、魔術師!!」




アレイスターは後ろを向き、手を振りながら紅魔館へと歩いていった。




パチュリー「無駄よ、美鈴。
この結界は私でも破れないわ。」




美鈴「そんな…。」




その時だった。





霊夢「遅かったようね。」




美鈴「その声は!」




魔理沙「よう中国。
元気にしてたか?」




パチュリー「霊夢、魔理沙…。

貴方たちどうして…?」




魔理沙「細かい説明はあとだぜ!」





霊夢「えっとね〜、紫に
頼まれちゃって。」



妖夢「二人の魂は冥界から連れてきたわ。
肉体は紫様からいただいた『ひとがた』よ。」





咲夜「あら、あっさり説明されたわね。」



魔理沙「屈辱の極みだ。

誰か私の台詞をかえせ。」





美鈴「そうだ!
霊夢、貴方ならこの結界を破れないかしら?」





霊夢「残念ながら、私にもこの性の悪い結界を破ることは出来ないわ。」




美鈴「そ、それじゃあどうするのよ?」





霊夢「落ち着きなさい、
中国。
確かにこの結界は破れないけど、打開策はあるのよ…。」


















ギィー、バタン。


月花「失礼いたします。」





レミリア「あら、部屋に入る
許可は出してないわよ。」




月花「それは失礼しました。
実は貴方にお願いがあって参りましたのですが。」





レミリア「賢者の石の封印なら
パチュリーしか解き方を知らないわよ。

最も、その本人は館の外だけど。」





月花「ええ、存じております。
その点に関しては問題ないのですが、規格外の人物が現れてしまったため、少々時間稼ぎが必要になってしまいました。


つきましては、貴方に外で暴れてほしいのです。」





レミリア「そんな面倒なことは死んでもやりたくないわね。」




月花「貴方には、『運命を操る程度の能力』が在りましたね。

何故使わないのです?」




レミリア「封じたわ。
分かり切ってる運命を歩むほど退屈なものはないからね。」





月花「それが貴方の敗因です。
気付いてはいるのでしょう?
この部屋に張られた
『対吸血鬼用』の結界に。」




レミリア「確かに、さっきから身体が思うように動かないのはそのせいか…。


まさか!
フランは…。」





月花「ええ。
貴方の妹様は危険なので、この30倍の結界と幻術で
眠ってもらっています。」





レミリア「なんてこと…。」





月花は縦横1m前後の魔方陣を作り出す。




月花「吸血鬼には、
『吸血衝動』、
『破壊衝動』、二つの衝動が存在します。

前者は不定期ですが、後者は割りと定期的に起きますね?」




魔方陣は何かまるい球体を現わし始める。




月花「120年前の紅魔異変のとき、貴方が霧を発生させたのは、日の光をさえぎるためだけじゃありませんね?


貴方はもう一つだけさえぎりたいものがあった。
違いますか?」




レミリア「まさか!
嫌、やめて!!」





魔方陣から出てきたのは、直径1mの紅い月だった…。




レミリア「ぐっ、あうっ!!」





月花「紅魔異変の夜、月が紅かったのは霧のせいではありません。
もともと紅かったんです。

貴方は紅い月の光を浴びたときに出る『破壊衝動』を抑えるために紅い霧に
よってその光を極限まで
弱めた。


この月はその時のレプリカのようなものです。」





レミリアの眼がどんどん紅く
染まってゆく…。





レミリア「ヴッ・・ガアアアアアアアアアアアァァ!!!!!」




月花「ここまで迫力があるとは計算外です。

…さて、後は空間転移で
飛んでもらいま・・」




  ドスッ―





月花「こ…はっ。

ゲッォホ!!」




ビチャビチャビチャ―



床が真っ赤に染まる。

レミリアの腕は月花の身体の
中心を貫通していた。




レミリア「計算外だったでしょうね。
私が衝動に駆られてる時はこんな結界、無いのと同じよ。」

レミリアは月花の身体を払除ける。


その時だった。
払除けた視線の先には
なんと、もう一人の月花が立っていた。





ドスドスドス!!!



今度は3本の槍がレミリアを
貫通する。





レミリア「ぐっはぁっ!!」




月花「備えあれば憂い無し…ですね。

貴方が貫いたのは過去から引きずりだした私の身体です。」





レミリア「バカな!?
過去の身体が死ねば、現在の身体も死ぬはず!」





月花「これは説明ミスでした。
訂正します。
貴方が貫いたのは過去から引きずりだした私の
・・
死体です。」





レミリア「なん…ですって?」





月花「私今まで8回ほど
死んでいるんです。

あ、今のをカウントすると9回ですか。」





レミリア「転生術か…

ぐっ、アアア…。」





月花「身体を貫かれても
流石は吸血鬼。
生命力の塊ですね。」





月花はレミリアの前に歩み寄る。




月花「その調子で頑張ってくださいね…。


空間転移。」



そしてレミリアは飛ばされた。
















霊夢「結界というものはね、その大きさに比例して、必ずどこか弱い箇所があるの。
私の結界が破られたようにね。

でもこの結界にはそれが無い。
つまりよ、考えられるのは一つ。
この結界には、必ず出入口が存在するわ。」




咲夜「出入口?」




霊夢「結界は発動された
時点でそのパワーバランスはある程度保たれてるの。

一ヶ所だけでも完全に弱い所を指定すると、
おのずとその他の箇所は
強くなるものよ。


それがこうまで強くなるという事は、結界が張られてない箇所、『出入口』が
存在するという事。」





パチュリー「じゃあこの中に
入るには、出入口を探す
しかないということね。」




霊夢「急いだ方がいいわ。こんなトンネル状の結界を作る奴なんて初めてよ。


パチュリー、あんたの賢者の石の封印が解かれるのも時間の問題ね。」






魔理沙「善は急げだ。
早く行こう。」



魔理沙が箒にまたがった、その時だった。





ドスン。



霊夢「レミリア!」




霊夢達から数メートル離れたところにレミリアが現れた。




パチュリーはすぐに歩み寄ろうとする。



パチュリー「レミィ!」



咲夜「いけません!!」



異変に気付いた咲夜は
とっさにパチュリーを止める。





レミリア「ヴヴヴ・・ウガアアアァァ…。」


レミリアは必死に自らの
破壊衝動を抑えようとしていた。





レミリア(壊したい、壊したい、壊したい、壊したい、壊したい、壊したい、壊したい、壊したい、壊したい、壊せ、壊せ、壊せ、壊せ、壊せ、壊せ、壊せ、壊せ、壊せ、壊せ、コワセ…。)




レミリア「ヴァアアアアア!!」




パチュリー「レミィ!!」





咲夜「これは私の責任ですね…。」




咲夜は数歩踏み出し、レミリアに近づく。






咲夜「お嬢様。
ご機嫌は如何ですか?」





レミリア「さ…くや・・。」






















アレイスター「まずったなぁ。
まさか博麗の巫女さんが
お出ましするなんて。」



アレイスターはヴアル図書館に
到着していた。 




アレイスター「奈波、リュカー、結界内部で足止めをしてくれ。


千代女は紅魔館内部で見張り、錬は封印を解くのを
手伝っておくれ。


奴ら、そう長くは待ってくれんだろう。
ペース上げていくぞ。」




リュカー「分かったわ。」
奈波「あいよ。」
千代女「御意。」
錬「任して。」






そして物語は後半を迎える。



























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