十二話
十二話 少女と紅魔館の過去




咲夜「お嬢様。
ご機嫌は如何ですか?」




レミリア「さ…くや。」















これは霊夢と魔理沙が寿命を迎える5年前の話―





レミリア「咲夜!
ねえ咲夜!!」




その時、咲夜は難病を患いベッドでぐったりしていた。




咲夜「ハァハァ、お…嬢様申し訳、ありません。

ゲホッ!、ゲホ!」





レミリア「喋っては駄目よ!

パチェ!
何とかならないの!?」





パチュリーは首を横に振る。



パチュリー「ごめんなさい、レミィ。
私の魔法じゃ手の打ち用が無いわ。」




レミリア「どうして!?」





パチュリー「病気自体は簡単なものよ。
私の魔法でも治し用がある。


けど、咲夜の身体はもう
手遅れよ。





レミリア「手遅れ…ですって?」




パチュリー「寿命よ。

霊夢は霊力。
魔理沙は魔法。
そして咲夜は時間を操る
ことで外見の姿形は若い
ままだけど、
人間としての寿命は
3人とも底をつきかけているわ。


咲夜の体力も、免疫も、
生命力も、もう限界なのよ…。」





レミリア「美鈴!!
貴方には『気』が見えるんでしょう!?

咲夜の気の異変に今まで
気付かなかったの!!?」




美鈴「申し訳ありません!

ただ、言い訳にしか聞こえないと思いますが、
咲夜さんの気は昨日の今日まで正常、いえ、それ以上、元気そのものでした。


恐らく、私が気を見えることを知っていたから、無理をしていたんだと…。」




レミリア「――ッ!」



レミリアの眼からは涙が流れる。




パチュリー「誰にも心配を掛けられることなく、
誰にも迷惑を掛けることなく、
貴方はただ、レミィの従者として努めていたのね。」





レミリア「どうして?
そんなにボロボロになってまで…。」





パチュリー「これが『人間』よ、レミィ。

約100年という短い間、
自分の在り方、
自分の価値観、
自分の目的を持ち、必死に生きようとする。


だから咲夜はボロボロに
なった今でも…
こんなに美しいのよ。」



パチュリーの眼からも雫がこぼれる。











咲夜「お…嬢様。」





レミリア「何?
咲夜…。」





咲夜「…たく、ありません。」





レミリア「え?」





咲夜「死にたく…ありません。


こんな志し半ばで、こんな病で最期を迎えるなんて、死んでも死に切れません、お嬢様!」



レミリアは咲夜の手を握る。

白く、痩せ細った咲夜の
冷たい手。
咲夜の悔しい気持ちが、
レミリアの手を強く握り締める。






パチュリー「咲夜…貴方人間を辞めるつもりなの?」




美鈴「え?」




レミリア「咲夜、そうなの?」





咲夜「私に…
私に人間としての美しさなど必要ありません。

私が求めるものは、ただ
紅魔館の主に従えることの喜びだけ。」






パチュリー「咲夜、人間を辞めるという事は決して簡単なことではないわ。


身体の組成を作り替えるには死よりも辛い激痛が伴うし、自我だってまともに
保てるか分からない。
下手したら、それこそ本当に『最期』よ。」






咲夜「それでも構いません。
私は、まだ生きていたい…。」







パチュリー「…そう。」



パチュリーはレミリアを見つめる。





パチュリー「レミィ…いいえ、

紅魔館の主として決断しなさい、レミリア・スカーレット。



咲夜を人間として殺すか、        ・・
従者として咲夜の人間を殺すか。」





美鈴「パチュリー様…。」





レミリア「私は、…

私は…。」





レミリアは咲夜を見つめる。

咲夜もレミリアを見つめる。




咲夜「私は、お嬢様と
生きていたいです。

大丈夫ですよ。
私は紅魔館のメイド長、
十六夜咲夜―。

こんな所では終わりません。」










レミリア「…わかったわ。

咲夜、これは命令よ!!」



咲夜はうなずく。





レミリア「私に血を与えなさい、咲夜!!


私が死ぬまで、
貴方が死ぬことは許さないわ!!

いいわね、咲夜!?」








咲夜「Yes, my master.

承知いたしましたわ、
私のこの血潮、最後の一滴まで貴方に捧げましょう。」











そして、咲夜は人間としての最後を迎えた―。
















レミリア「フフッ、そうね咲夜。
貴方だけはいつも私の一番近くにいてくれる…。」






咲夜「もう一度伺います。

ご機嫌は如何ですか?
お嬢様。」





レミリア「ええ、最高よ咲夜。

貴方を殺したいわ…。」






咲夜「それは止まっている咲夜でしょうか?

動いている咲夜でしょうか?」





レミリア「フフッ、
止まっている貴方を殺して何が面白いというの?」





レミリアは槍3本を身体から
引き抜き、すっと立ち上がる。








レミリア「命令よ咲夜!
  ・・・・
私と殺し合いなさい!!!」






咲夜「承知!!!」

咲夜の眼が紅く染まる。




次の瞬間、咲夜はレミリアの
目の前にいた。
レミリアは瞬きをする間もなく咲夜に蹴り飛ばされる。



ズガーーン!!!






咲夜「ここは私が何とかします。
貴方たちは先に行ってください!」




パチュリー「咲夜…。」




霊夢「行くわよ!

もたもたしてる場合じゃないし、ここにいると咲夜の邪魔になるわ。」






咲夜「霊夢、魔理沙!」





霊夢「…?」
魔理沙「ん?」



二人は立ち止まり、後ろを向く。

咲夜の眼は紅く
染まったままだった。






咲夜「一緒に死んで
あげられなくて、ごめんなさいね…。」





フフッ
何を言うかと思えば…。




魔理沙「別に、気にしちゃいないさ。」




霊夢「あんたはあんたで
頑張りなさい。

…行きましょう。


咲夜、
死ぬんじゃないわよ!!」





そして霊夢たちは結界の
出入口へと向かった。





咲夜「死ぬんじゃない…か。」








レミリア
天罰『スターオブダビデ』!!





咲夜「少々、骨が折れそうですね!!」





ズガーー―ン!!!








十六夜咲夜―

種族『吸血鬼』。






















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