十三話
十三話 少女と結界の出入口




霊夢たちは紅魔湖に向かっていた。





霊夢「それにしても咲夜は、いつまで経っても
こっち(冥界)に来ないからまさかとは思ってたけど…。」





魔理沙「本当に吸血鬼に
なっていたとはな…。」





パチュリー「咲夜は人間である前に、レミィの従者として
生きる道を選んだのよ。


ところで何故紅魔湖に向かっているの?」




美鈴「地面の下に何かを
感じる…。

まさかあの結界って!?」




霊夢「そう。
あの結界の出入口は間違いなく地下にあるわ。

トンネル状とは言ったものの、あの結界は屋敷全体をしっかりと囲んでいた。

となれば、弱い箇所があるのは紅魔館の下じゃないかと思ってね。

でもパチュリー、紅魔館に
地下道なんてあったの?

結界はある程度の『空間』を囲うものだから、地中に結界の張られているところは空洞に近いと思うのだけれど…?」





パチュリー「恐らく水道管ね。

水道管といっても、ずっと昔のもので、今は使われていないわ。

昔は紅魔湖から水を引いていたの。」





チルノ「ああ、そういえば昔から変な洞窟があったな。」




魔理沙「いたのか。」




チルノ「H話以降から見事に
出番が無くなっていたからな。

作者にも忘れられかけていたぞ。」





霊夢「そういえば妖夢も
なかなか出番無いわね。」




妖夢「無駄なお喋りは
つつしんでいるだけだ。

ほら、そろそろ着くんじゃないか?」





やがて蒼く光る湖が見えてくる。
霊夢たちは洞窟らしきものを探す。




チルノ「あれだ。

ん、誰かいるぞ?」




洞窟に近づくと、
確かにそこには見慣れぬ
和服を着た少女が立っていた。





霊夢「あんた誰!?」





稲瀬「そうね…。
多分貴方たちの敵じゃないかしら。」




魔理沙「呑気そうな奴だな。」




稲瀬「呑気そうな人に
言われたくないわ。

私は戦闘タイプじゃないから、貴方たち相手じゃ
かなわないわよ。」





霊夢「じゃあおとなしく
通してくれるのかしら?」




稲瀬「通してもいいのだけれど、私も暇なのは嫌ね。

誰か一人だけ私と戦って
くれないかしら?」





チルノ「じゃあ、あたいとやるか?」




霊夢(まあチルノだからいいか。)


魔理沙「頑張れよチルノ!」





チルノ「あたいは最強だからね!
すぐに追いついてやるよ。皆先に行っててくれ!」





パチュリー「…。」





妖夢「そういうわけだ。

そこを通してくれますね?」




稲瀬「ええ、貴方たちも
気をつけなさい。

私の仲間も決して弱くは
無いわ。」





魔理沙「上等だ。
私達だって弱くはない。」




そして霊夢たちは洞窟に
入っていく。

だが、パチュリーだけが少し
止まる。




パチュリー「貴方も気をつけなさい。
その子、決して弱くはないわよ。」




稲瀬「あら、忠告ありがと。」




パチュリー「これは警告として受け取ってほしいのだけどね…。」




稲瀬「…?」




その言葉を残してパチュリーも洞窟へ入っていった。





稲瀬「さあ、私達も始めましょうか。

私は望月稲瀬。
貴方はチルノちゃん…でいいかしらね。」


一瞬、チルノがピクッとなる。




チルノ「チルノでいいよ。

あんまりその呼び方で
呼ばれたくないんだ。」




稲瀬「あら失礼。
じゃあチルノ、弾幕ごっこでも始めるとしますか。」





チルノ「あたいは負けないよ。なんたって最強だからね。」




稲瀬「自分のことを最強と呼ぶ最強の人と今まで
出会ったことが無いんだけれどね。


貴方が私に勝てたら最強でいいわよ。」





チルノ「言ったな、これでも食らえ!!」


チルノ
氷符『アイシクルフォール』!




ピタッ。

当然それは、稲瀬の直前で止まる。





チルノ「あれ?」





稲瀬「無駄よ。
貴方の氷が私に届くことはないわ…。」



稲瀬
無慣『お手玉のデタラメ飛行』




無数の球体が不規則に宙を飛びかう。




稲瀬「早く避けないと
当たっちゃうわよ〜。」




チルノ「うわわわ!」














洞窟内―。



霊夢「案外広いわねぇー。よく地面が陥没しないものだわ。」





パチュリー「丈夫に造ってあるからね。」






リュカー「止まりなさいっ。」




魔理沙「おっと、敵さんのお出ましだ。」





パチュリー「私を屋敷の外に
放り出した子ね。

貴方たちの狙いはだいたい読めてるわ。

でもあの賢者の石を使ったところで、あんまり大層な事は出来ないと思うのだけれど。」





リュカー「あの石は不完全だからね。

それは問題ないわ。
うちの魔術師が完全な
賢者の石にしてくれるそうだから。」




それを聞いたパチュリーの表情が一変する。



パチュリー「何ですって!!?

…はあ、どうしてこうも
魔術師という生き物は
『完全なもの』を目指すのか…。」





パチュリーは本を一冊開く。



パチュリー「ここは私が何とかするから、貴方たちは先に行ってちょうだい。」





魔理沙「でもパチュリー…。」





パチュリー「急ぎなさい!

賢者の石を彼らに盗られたらお仕舞いよ。

完全な賢者の石を作らせてはいけないわ!」






リュカー「そう易々と行かせるもんですか…。」




しかし、リュカーが攻撃を仕掛ける前に、パチュリーはすでに呪文を唱えていた。



パチュリー
水符『プリンセスウンディネ』。




大量の水が霊夢たちを覆う。




魔理沙「うお!?」




パチュリー「この水は味方よ。安心して流されなさい。」



バシャーン。


霊夢たちはパチュリーの水符によって水道管を流されていった。








リュカー「…やられたわ。

そんなに賢者の石が大事なの?」






パチュリー「ええ、誰にも渡さないわ。」





リュカー「じゃあ、仕方ないわ。

残念だけれど、あんたにはイライラさせられてるからね…、
死んでもらうとしますか。」






パチュリー「そうね。

私も貴方たちにイライラしているわ。
何故完全な賢者の石が必要なのかしら?」





リュカーの目つきが変わる。


リュカー「この姿を何とかしたいからよ…。」





とたんにリュカーの姿が変化する。

爪と歯は鋭く伸びて、髪の毛は茶色く染まり、耳は頭の上、更にフワリとした尻尾がはえる。
眼は月のように怪しく光る。




その姿はまるで…




パチュリー「人狼(ジンロウ)―。」






リュカー「私はね、呪われた
オオカミ男の娘なの。
この姿にどれだけ苦労してきたことか。

まあ、こっち(幻想郷)じゃ当たり前なんでしょうけどね。」






パチュリー「オオカミ女か。

成る程、人間になりたい
のは山々でしょうけど、
こっちにも色々と事情が
あってね…。

あの石を渡す気にはなれないわ。」






リュカー「同情は求めてないわ。
されたところでこっちが
イラつくだけだからね。」




パチュリー「同情なんてしない…。
ただ貴方たちがやろうとしていることがとても危険なものだからね。


これだけは言っておくわ。『容赦はしない』。」





リュカー「あんたこそ…。

このスピードについてこれるのかしら…。」
























リュカー・オーン
呪われたアルカディアの王女様。
オオカミ男の娘。
夜に関わる魔術を扱う程度の能力。
人間の姿の時は髪の毛は白く、身長はやや低め。
身体の構造が狼に近い
ところがあるため瞬発力が高い。
性格は積極的でツンデレである(アレイスターいわく、凡デレ(ボンデレ))。
賢者の石で人間になれるのではないかという事を知り、以後アレイスターについていった。
『夜に関わる魔術』とは、単純に辺りを暗くしたり、月を具現化したりする程度の能力である。



















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