十四話
十四話 少女と紅魔館到着




ドドドドドドド―。



奈波「嫌な波動だ。
水が流れる音だ。

ダイハードもここまで酷くはなかったんじゃないか?」





霊夢たちはあれから3分間ほどパチュリーの水符に流されていた。





美鈴「んっ?」




魔理沙「どうした、中国?」





美鈴「空気が震えているわ。
この水のせいじゃない…。」




霊夢「敵がいるの?」




美鈴「下がって…。」




ドドドドドドド!!!




奈波「ジョン・マクレーンだったらここで脱出するが…。

俺があれ止めたら主演
女優賞間違いないな。」






奈波
熱衝『深紅・波動拳』!!美鈴
華符『彩光蓮華掌』!!






バッシャーーン!!!



二つのスペルがぶつかり
合い、水が弾け飛ぶ。


一瞬、二人は眼が合った。




奈波(コイツ…。)



奈波はすぐさま美鈴に反撃する。
しかし、接近戦が得意な
美鈴はこの距離での反撃はすでに想定内だった。




美鈴「ハァー、セイッ!!」



奈波の蹴りをかわし、襟と腕を掴んで背負い投げを
決める。



奈波は地面に落下する前になんとか体勢を立て直し、後方に滑るように着地する。




奈波「お前弾幕タイプじゃないな…。

よし、決めた。」




奈波は美鈴に指を差す。




奈波「おい、華人娘。
俺と勝負しろ。

巫女と魔法使いと剣士に
用はない。
見逃してやるからさっさと行け。」




霊夢「ご指名が入ったわ。よかったわね美鈴。

でも簡単に私達を通して
いいのかしら?
貴方の立場が無いんじゃないの?」




奈波「ん、俺は別に賢者の石なんぞに興味はない。

ただ誰かとドンパチしたいが為にここに来たような
もんさ。

そして、自分の相手は自分で決める。」




美鈴「勝負師のつもりか?」




奈波「ただの喧嘩好きさ。」





美鈴「皆さんここは…」



魔理沙「お前に任せる。」
 霊夢「貴方に任せる。」
 妖夢「かたじけない。」




魔理沙「中国どうした?」




美鈴「なんか違う…。」





奈波「…とりあえず10秒後に攻撃する。

構えな華人娘!」



10


美鈴「私は美鈴(メイリン)です!」




H

魔理沙「じゃあな!
頑張れよ中国。」






霊夢「後でちゃんと来るのよ。」









妖夢「御健闘を…。」









美鈴「30年経ってもバカにされるなんて〜。

でも、やっぱり懐かしいですね…。」












美鈴「敗けられません!」


奈波「上等。」




0―


奈波
地符『S波』!



地面が揺れ、美鈴は体勢を崩す。
その瞬間に奈波は美鈴に
飛び掛かり、拳を浴びせる。



美鈴「がっ!」


美鈴は奈波の拳から出た
波動によって吹き飛ばされる。


地面に横たわる美鈴に更に奈波は攻撃を加える。


美鈴
華符『セラギネラ9』!


ドドドッ!!



奈波「くそっ!」




奈波は後ろへ下がる。




奈波「普通の弾幕も有り…か。
思ったよりしぶといんだな。」




美鈴「今のは危なかった…。
お前は波動を操るのか?」





奈波「いかにも。
そういうお前は気を操っているな。

俺たちは多少の似た者同士というとこか。」





美鈴「貴方のような人に
出会えるなんて…。

私も今更ですが、なんだか楽しくなってきましたよ。」




奈波「そいつぁイイね!」




奈波が飛び掛かる。

美鈴は顔面すれすれで奈波の拳を避け切り、奈波の
波動をかわし、回し蹴りをかます。



奈波「ぐはっ。」


奈波は後方に飛ばされる。勢いをつけた美鈴は
そのまま加速し、空中で
奈波を蹴り飛ばす。


奈波は腕でガードし、二人の間に距離が生じる。




美鈴
彩符『彩光乱舞』!!
奈波
電波『ダブル帝牙駆-Light-』!!



ドカーーン!!



彩り鮮やかな気と、電撃を帯びた波動がぶつかり合う。




奈波「いいねぇ、この感じ!
事が済んだらまたやろうぜ。」



奈波は拳を突き出し、美鈴目がけて波動を5、6発連射する。




美鈴「遠慮しますよ。
これでも屋敷の門番なんで、暇じゃないんです。」





美鈴は波動を避けつつ奈波に接近し、気を放つ。





奈波「っと、あぶね。


普段どうせ寝てるんだろ?」




美鈴「最近は退屈でね、
軽く平和ボケしてただけよ(バレとったか…)。」




奈波「俺は奈波、橘奈波。お前は?」




美鈴「紅美鈴よ。」




奈波「じゃあ中国、
とりあえず今は楽しもうか!」




美鈴「何でそうなる!?

頭きたわ…。
本気でお相手しましょう。」





美鈴「いざ参る!」
奈波「いざ勝負!」



ドーン!―
















紅魔館入り口付近―




錬「ねえ館長。」




アレイスター「何だ、錬?」




錬「今回私達って悪役だよね。」




アレイスター「確かにそうだな。錬は悪役は嫌か?」




錬「そうね。
さすがに集団強襲、
不法侵入、窃盗。

どれも不合理なものばかりだから罪悪感も残るわ。」




アレイスター「ああ、不合理だ。

なあ錬、人は幸福を求めるためにどれだけの罪が
許されると思う?」





錬「罪はどんなに小さくても許される事はないわ。

罪に対して正しい埋め合わせをすることを『償い』と呼ぶけれど、罪自体は死ぬまで背負うものだからね。

館長…、これだけの罪を
犯してまで何故世界との
契約にこだわるの?」





アレイスター「…死のリセットだ。」




錬「死の…リセット?」





アレイスター「私はね、
『無駄死に』が許せないんだ。

無駄な死が存在するというのなら、その人は何故生まれてきたんだ?

何故人は等しく幸福を与えられるはずなのに、世界はこんなにも不平等で成り立っている?

世界は何故、何の為に
存在する?

私はそれが知りたい。

知った上で理解し、無駄なものをこの世から排除したい。




それが、
『魔術師アレイスター・クロウリー』
が生まれたきっかけさ。」





錬「おっきいね。」




アレイスター「難しかったか?」




錬「思いは伝わったわ。

私も、自分の過去が知りたくてここに来たからね。
この際、罪人でも何でもなるわ。」




…そうか。



館長は重たい表情で口を開く。


アレイスター「もし、だ。
君の過去がとてつもなく
絶望的なものだったらどうする?


例えばだな…

過去に君は人を殺していたりとか…。」





錬「何よ、それ。」




錬は苦笑するが、アレイスターの顔は真剣だった。




錬「・・、そうね。
分からないわ。
だって私は何も知らないんだもの。


もし私が自ら命を断とうだなんて考えたなら、その時は…。」




アレイスター「その時は?」





錬は笑う。



錬「館長が止めてくれると思うわ。」





アレイスター「…そうか。」




館長の表情は重いまま。




アレイスター「今回君を呼んだ
理由だがね…



いや、止そう。
この話はすべて終わった後のほうがいい。」




錬「…?」




アレイスター「とりあえず賢者の石は月花に任しておけ。

私達は…。」





二人は紅魔館から外へ出る。




錬「あの二人を止めれば
いいのね…。」






アレイスターと錬の目の前には
浮遊する紅と黒の二つの
影が在った―。






















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