二十一話
二十一話 少女と鏡水月花




月花「その心臓、
貰い受けます!!」






バシュッ!!

バシュッ!!





二つの槍が二人の心臓を
狙う。







バシッ!!!







霊夢「…ん?」






槍は二本とも、
寸前で止められていた。






魔理沙「お前は…!」






チルノ「ふう、なんとか
間に合ったな。」






霊夢「チルノ!?」






チルノ「ほっ!!」





ガシャン!
ガシャン!
ガシャン!!





チルノは掴んだ二本の槍を
巧みに操り、
二人を拘束している鎖を
断ち切る。







魔理沙「助かったぜ。
それにしても…。」






霊夢「あんた…チルノなの?」






確かに霊夢達の目の前に
立っていたのは姿形、
正しくチルノだった。


しかし、
その印象はもはや二人が
知っている
チルノでは無かった。






チルノはフッと笑う。






チルノ「選手交代だ。

美鈴、頼む。」







突然美鈴が出てきたかと
思うと、その手は二人を
掴む。






美鈴「さがって!」






美鈴は二人を無理矢理
引っ張る。






霊夢「なっ、ちょっと!?」





魔理沙「どうなってんだ?」





さがった先にはパチュリーが
立っていた。






パチュリー「二人とも、
説明は後よ!


霊夢、結界を張って。

魔理沙、私と霊夢の結界を手伝ってちょうだい。」







二人は
すぐには動かなかったが、状況を理解し結界を張る。


















月花「いきなり出てきて
何なんですか?」






チルノ「あたいはあの二人の
代行だよ。


気にするな、退屈は
させない。」








月花「フッ、フフッ。
…アハハハハ!!!



『退屈はさせない』ですか。
これはまた…。」






バリン!!





とたんにチルノの掴んでいた二本の槍が砕け散る。






チルノ「何だ…脆いな。」







月花「違いますよ。


その槍は過去戦場で
死んだ槍。

無理矢理
引きずり出したので、
形状を保って
いられなくなっただけです。」







パチュリー「過去の存在を
引きずり出したというの…!?」







月花「その通りです、
魔法使い。

私の魔術はおもに転生が
メインですが、
それが出来て初めて成功に近い『世界との契約』を
成し得ました。

途中までですが…。」







パチュリー「『世界との契約』…。

まさか…賢者の石を狙っているのは!?」







月花「ええ。

完全なる『世界との契約』を果たすためです。」







パチュリー「…。」







月花「で、
見たところ私と戦う気が
あるのは貴方だけの
ようですが…。

まだ私の
邪魔をする気ですか?」







チルノ「まあ、
こんなナリでも一応
幻想郷の『管理者』だからな。」







月花「管理者…ですか。

貴方のようなものに
この幻想郷は管理されて
いると?」






チルノ「そんな大それた
もんじゃない。

ここ(幻想郷)の平和を守る、警備員みたいなものさ。」







月花「あらあら、
ヒーローにでもなるつもりですか?」






チルノ「何にだってなってやるさ。

なんたってあたいは
最強だからね。」






月花「フッ、
アッハッハ!!!!!」






その笑い方は結界の中の
四人にとっては恐怖でしかなかった。







月花「妖精風情が、
舐めるな!!!


貴方のようなやからに、
私の野望が邪魔されてなるものか!!!!!」





ドン!!!






月花は右手から念力を放ち、チルノを弾き飛ばす。






チルノ「ぐっ!」






魔理沙「チルノ!!

おい、
やっぱりアイツ一人じゃ…。」






パチュリー「大丈夫。

じきに分かるわ。」










チルノ「いてて…。」






月花「フッ。

この程度なら、
私の抑止力には
到底及びません。」










チルノ「…。


ふう、
左手…見てみろ。」







カチカチ…。




月花「なっ!?」






月花の左手はいつの間にか氷に包まれていた。





   コザカ
月花「小賢しい真似を!!」




月花は氷を弾き飛ばす。







チルノ「凍らしてからの
反応が遅いな…。


お前、痛覚が無いだろ。」






月花「…!」






チルノ「それだけじゃない。

視線が微妙に
合っていないから視覚も
無い。

ひょっとすると味覚も
無いんじゃないか?」








月花「これは驚きましたね。

まさか味覚まで無いことが分かるなんて…。」







チルノ「味覚に関しては直感だ。





何故だ?

『感覚』とは
生きている証でもある。

それを三つも
失っているとなると、
その内に『生の実感』すらまともに保てなくなるぞ。



何故そこまでして…

理由は何だ?
何が目的なんだ?」












月花「理由など…
とうの昔に忘れました。


私は最早
私の望みを叶えるため
だけの存在と化した。


叶えなければ…

今まで踏み台にしてきた
死体の山を無駄に
してしまう…!!




邪魔をするのなら、
構わず貴方も『踏み台』にします。」













チルノ「やれやれ、
お前は一体何なんだ…?」







月花「魔術師、
鏡水月花の形をした…


ただの魔族です!!」






人の身体は神のモノ―

その涙は青臭く―

その血は錆臭い―

呼吸は大気を覆い―

人は人の息を吸い込み―

やがて身体は腐り果て―

魂は空を漂う―

我が名は鏡水月花―

人ではなく、神のモノでもない―

故に我は―

神を殺せる存在なり―
















ブウン!!!!!




一度に大量の魔法陣が
現われる。







パチュリー「多重詠唱…!」







月花「行け!」







魔方陣からは槍が一斉に
飛び出す。






チルノ「はあっ!!」






チルノは急加速し、
無数の槍を空中でかわす。





チルノ
氷符『アイシクルフォール』!!







月花「こんな
スキマだらけな弾幕、
目眩ましにしか…」






チルノは
月花の背後をとらえた。






チルノ「ああ、目眩ましだ。」






月花の視覚は魔術で
補われているが、
360度見渡せる
わけではなく、ただ単に
目と鼻の先にあるものを
感じているものに
すぎなかった。









チルノ
氷符『アイシクルマシンガン』!!






ドドドドドド!!!!!







月花「ぐあっ!!

この…!」






月花が振り向くと、
チルノは目と鼻の先にいた。


チルノはパンチを三発、
蹴を五発食らわせ、
シメに氷の固まりを放つ。







月花「がはぁっ!!!」







ズドーーン!!!!!











霊夢「凄い…。」




魔理沙「あれが…。」






パチュリー「あれが今のチルノよ。


あんた達が死んだ後もね、何回か異変が
起きたのだけれど、

その時に、
ある一定以上の強さを
持った、
あんた達の『代わり』が
必要になった。


その『代わり』のことを、私達は
幻想郷の『管理者』、
あんた達の『代行者』
なんて呼んでいるけど、

チルノはその内の一人。



風見幽香を除き、
八雲紫が不在の今、
なんの例外もなく確かに
チルノは
幻想郷で『最強』よ。」







霊夢「…。」





















チルノ「大量の弾幕は…
接近されるとその価値を
失う。


神経を研ぎ澄ませ。
お前のチカラはそんなもの
なのか!?」









ガラガラ―






月花「成る程、弾幕にも
使い分けが
あるのですか…。」







霊夢「何この感じ…!」





美鈴「恐らく、
魔族の血が
濃くなったんでしょう。

顔を見てください。」










月花の頬には紅黒い
スジが入り、
白い髪の毛は更に長く伸び、
瞳は紅く染まる。



その姿はまさに










魔理沙「悪魔…。」
















月花「準備運動は終わりました。


さあ、


シ ア
死合いを始めましょう!」






























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カラオケへ行くと、
得点は高いのに友達からは下手だと言われる。

今日も泣きながら
えーりん!えーりん!!

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