二十三話
二十三話 少女とチルノの過去




地面が凍り、

空から雪が降り、

熱風が吹雪に変わる。






月花「この辺境の地に雪を降らせますか…。

やりますね。」







霊夢「分からないわ。

私達が死ぬまで、チルノに
あんな強さは無かった。

30年間、チルノに何があったというの?」







パチュリー「…大妖精を覚えているかしら?」






魔理沙「大妖精って、
いつもチルノと一緒に湖で
つるんでいた奴だろう。」






霊夢「でも…私達が湖に
行ったときに姿は見えなかった…。」






パチュリー「死んだのはね、
貴方達だけじゃないって
ことよ。」






魔理沙「まさかアイツも…。」






パチュリーは一呼吸おく。





パチュリー「人間の死は、
魂と肉体の分離。

運が良ければ
今の貴方達のように
地上に戻ってくる
機会がある…。


でも、
妖精はそうはいかない。」





パチュリーは話を続ける。






パチュリー「妖精が生れるのは、主に自然の中が
一般とされているわ。


草、花、木、川、湖、山、森、あらゆるものに
命は宿る。

それが妖精。
普通、妖精には寿命と
呼ばれるものはないわ。

妖精と呼ばれる生き物は、通常とても小さく、
ただ宙を漂っているような存在でしかない。

いつの間にか生れて、
      ・・・
いつの間にか消えている。

だからそれを『死』と
呼んで
いいのかすら不確定。




でも極まれに、
とても大型の、
しかも自我の確立まである妖精が生れることがある。

それが『大妖精』だった。






大妖精ほど大型になると、妖精として生きるための
エネルギーの消費がとても
多くなる。



故に、大妖精には
『寿命』となるものが
存在した。


ちょうど
貴方達が死んでから
半年ほどね。


自分の『生命エネルギー』を
使い果たして、
大妖精も寿命を迎えたの。



妖精の死とは、
魂と肉体の分散。

文字どおり、
その身体と魂は
スミのスミまで分散して、自然に帰るの。


つまり妖精はね、
      ・・・
死ぬと完全に消えるのよ。




皮肉なことに、
妖精であるチルノはその事を誰よりも理解していた。



…理解してしまっていたの。」





































チルノ「大ちゃん、死なないで!!」





大妖精「ダメよチルノちゃん。これは決まっていたこと。

チルノちゃんだって
分かっているでしょ?」






チルノ「嫌だ!
嫌だよう!!」






大妖精「チルノちゃんは
最強なんでしょう?

そんな顔で泣かないで。」





チルノ「ううっ。

あたいは…


あたいは…最強なんかじゃ…ないよぅ。

大ちゃんがいないと何も
出来ないし、

大ちゃんがいないと道にも迷うし、

大ちゃんがいないと、
…楽しくない!!




大ちゃんだけが、
あたいのことを馬鹿に
しないでくれたから、

大ちゃんだけが、
あたいを励まして
くれたから、

大ちゃんだけが、
あたいを最強だって言ってくれたのに…、




あたい…バカだから、
まだ
大ちゃんに何もしてないよ!!!」






大妖精「そんなこと無いわ。

チルノちゃんは私に
あんなにも
笑顔をくれたじゃない。

それで十分。

チルノちゃんの笑顔が、
私の生き甲斐だった…。」





大妖精の身体がどんどん
薄れていく…。






チルノ「消えちゃ嫌だ!

行かないで大ちゃん!!」






大妖精「もう…。」






大妖精はチルノの胸に、
今にも消えそうな手を
当てる。




チルノの中に、
温かい何かが流れ込む。







大妖精「私の一部を、
チルノちゃんの中に
残しておくからね…。


これはチルノちゃんへの
最後のお願いよ。」






大妖精はチルノの頬に
手を当てる。






大妖精「チルノちゃんは、
チルノちゃんが思い描く
『最強』になってね!!





私、チルノちゃんの中で、

ずっと…みてる…

から…。」












チルノ「大…ちゃん?」











大妖精という存在は、
幻想郷を去った…。









チルノ「嫌だ…。」







パチュリー「大妖精の
死を前に、

   ・・
チルノは暴走してしまったの。」












チルノ「嫌だ…。」






カチカチカチ…!






チルノ「嫌だ!

嫌だ!」







カチカチカチカチ!!!!!!!!!!!!!






湖が凍り付く。

空は雲で覆われる。







チルノ「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

























パチュリー「大妖精が死んだ
その年、幻想郷に春は
来なかったわ…。」







霊夢「…。」



魔理沙「そんな…。」







パチュリー「翌年の夏、
事態を重く見た八雲紫は
チルノを退治することにしたけれど、一筋縄じゃ
行かなかったらしいわ。



あの八雲紫でさえ、
   ・・・
何とか湖ごとチルノを結界で囲んで押さえ込むので
精一杯だった。」






10日後にチルノの意識は
無事回復する。















紫「貴方、幻想郷の管理者になりなさい。

大妖精の
魂と繋がったことで、
貴方はかなりのチカラを得たハズよ。」








チルノ「…皆に迷惑を掛けた。あたいにそんなものは
勤まらない。


今のあたいは…
どうやって生きていけば
いいのかすら、分からない。」








紫「あら、そう。

なら、勝手になさい。



じゃあこれだけは
聞いておくけど、
大妖精は、
無駄死にだったのかな…?」






チルノ「ッ!」






紫「また来るわ…。

よく考えておいて。」

















翌年幻想郷に、
結界破りの魔物が侵入する、通称『喰い魔事変』が
起きる。





結界を食い破る魔物に
紫は苦戦を強いられた。





その時現われたのが
チルノだった。













チルノちゃんは、
チルノちゃんが思い描く
『最強』になってね!!












チルノ「大ちゃんを無駄死に
なんて言わせない!!



あたいは…、
あたいは何がなんでも、
ここ(幻想郷)で最強に
なってやる!!!!!」

























パチュリー「これが30年の間、 チルノが幻想郷の管理者に
なり、
最強と謳われる
ようになるまでの出来事よ…。」







ルーネイトエルフ…

湖上の妖精か…










魔理沙「チルノ…。」











チルノはただひたすら
月花を見つめていた…。

























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