三十一話
三十一話 少女とアレイスター・クロウリー






紅魔館から少し離れた
場所に魔術師はいた…。







錬「ここにいたの…。」






アレイスター「ああ。

…お前達も来たのか。」






奈波「私達は
今回ただの傍観者だ。


石ころ同然の扱いで
構わない。」











錬「…とりあえず、

話すべき事は話して
もらうわよ。




・・
蒼崎さん―。」








    ・・
千代女「蒼崎だと…!?」





奈波「蒼崎って…。」





稲瀬「200年前、
協会の
スパイだった配達人…!


まさかクロちゃんが!?」













アレイスター「やはり
覚えていたか…。」






錬「嫌でも
忘れられないわ。


髪の毛は紅いのに名前が
『蒼崎』なんだもの。

偽名ならもうちょっと
考えたほうが
よかったんじゃない?」






アレイスター「そうだな…。」






稲瀬「これって…。」






アレイスター「そういう事だ。


つまり、
私は『滝城抹殺』の
立派な当事者だったって
ことさ。」







錬「分かった奈波?

私と館長は
そういう関係なの…。」







奈波「…。」









錬「それと、もう一つ。


何で館長が母さんの
『神楽』持ってるわけ?」







アレイスター「コイツは君に
分解されなかったらしい。


君を見つけたとき、
コイツが傍にいて頼まれたんだ。

『この子を護ってくれ。』
とね。





私は
君に必要最低限の保護を
与えることを条件に、
神楽を得たんだ。

残念ながら、
それきり神楽にもう
君の母の『意思』は
残留していない。」










錬「まあ、
それはもう過ぎた事…。」







アレイスター「謝ったところで、もう
手遅れなんだろうな。」









錬「謝る…ねえ。
別にその必要は無いわよ。


あの日からもう
200年も経ったんだから…恨みも、憎しみも、
とっくに
枯れ果ててるわ。



別に仇を討とうなんて
考えもないし、
死んだ家族に謝れなんて
ことも言わない。



むしろ、
今は謝られたほうが
ムカつくわ。








でも、
ここへ来たのはそんな話をするためじゃない。


あんたに…
やってもらいたい事が
あるからここへ来た。」








アレイスター「私は…

何をすればいいんだ?」







錬「簡単よ。

  ・・
私と喧嘩すればいいの。」








奈波(やっぱりな…。)









錬「勿論全力でね…。


手を   バラ
抜いたら分解すわよ。」









アレイスター「君が
それを望むのなら…。」



















レミリア「あら、
まだ始まっていないのね…。」







千代女「お前達…。」







咲夜「邪魔はしませんわ。

見ていてはダメかしら?」






錬「別に構わないわ…。」




































二人が一定の距離をおく。







咲夜「どちらが勝つと
思います?」





レミリア「普通に考えれば
紅髪の方でしょ。」







稲瀬「魔術も武術も
得とくしている
クロちゃんは
遠、近距離においてほぼ
死角が無い。」






千代女「しかも
物理攻撃では破りづらい
『結界』もある。」







奈波「だが、
錬には分解エネルギーがある。


まだ回復が
不十分だろうし…
乱発は
出来ないだろうけどな。




この勝負…、
いや、この喧嘩は最後まで分からんな。」












錬「いざッ!!」





錬は地面に手を着け、
大量の鉄球を錬成する。




その鉄球すべてをアレイスターに向けて全弾発射する。







アレイスターは物理結界を張り、身を固める。






錬(やっぱりね…。)






錬はアレイスターに接近、
それと同時にアレイスターの
足元、地面の下から鎖が
飛び出す。







アレイスター「くッ…!」





アレイスターは後ろへ跳び、
鎖をかわす。







錬「地中は鉱物の宝庫よ。


舐めてかかると
怪我するわ!!」






アレイスター「そのようだな…!」





アレイスターは地面に手をつけ、詠唱を唱える。





バチバチ!!!






錬「地中に結界を!?」






稲瀬「なるほど、
地中に含まれる鉱物を
まるごと囲ったわけね。」




奈波「それだけじゃねえ。

鉱物から純粋な金属を
生成するには、


・・・
酸化物である鉱物から
酸素を取り出す必要がある。



錬が下手に地面を分解すれば、取り出された酸素が錬を覆う。


そうなりゃ
炎系の魔術を扱える館長の独壇場になっちまう。」










錬「仕方がない…。


なら、さっき出した鉄球をベースに攻めるわ!!」






錬が最初に出した
鉄球の数は
大小合わせて五十六。



それらは錬を軸に
バラバラに公転する。










奈波「確かに、
あれなら館長はうかつに
近づくことは出来ないが…。」






錬は鉄球を公転させたままアレイスターに突進する。







    ヒュウガ カエン
アレイスター「日向…火焔!!」






ボウウッ!!!!!






錬は炎を避けると同時に
鉄球の一つに飛び乗り、
アレイスターの頭上から
鉄棍を振り落とす。






バチバチ!!!






稲瀬「詠唱無し…
ノーモーションで結界を!?」










錬「急場しのぎかしら?」






錬は右手を構え分解の
姿勢をとる。







アレイスターは錬が結界を
分解するのと同時に
足元に張った魔方陣を
発動させる。






ドォン!!!







錬「危なかった…。」









稲瀬「結界誘爆の
トラップ…!」









しかし、
錬は被弾したにも
かかわらずダメージを
受けてはいなかった。








アレイスター「瞬時に
鉄を纏(マト)ったか…!」










二人はほぼ互角に闘う。

























レミリア「つまらないわね…。」





咲夜「どう
なされましたか?」






レミリア「退屈よ…。



てっきり凄い死闘を
期待していたのだけれど…


二人とも本気を
出さないんだもの。」






咲夜「魔術師の方は
分かりますが、
錬金術師の方も手を
抜いていると…?」






レミリア「多分、
自分の全力を知らないんでしょうね。




        ・・・
あの二人はこんなお遊びをやりに来たのかしら?」













レミリアの言っていることは
的を得ていた。





錬は一番に
その事を理解し、
苛立(イラダ)っていた。







本気を出せない錬。



本気を出さないアレイスター。




















錬「いつまで続けるの?」







アレイスター「何のことだ?」






錬「いつまで
   ・・
こんな茶番を続けるのと
聞いているのよ。



何故
全力を出さないの館長?」








アレイスター「私は…

全力だ…。」







錬「苦手な嘘は
吐かないほうがいいわよ。


じゃあ聞くけれど、
何故神楽を出さないの?」









アレイスターの手は震えていた。






アレイスター「必要ない…。」








錬はその言葉に苛立つ。








錬「『必要ない』?



あらそう、
私には全力を出さなくても勝てるってワケね?」









アレイスター「ああ…。」








錬「―ッ!


フザケないでッ!!



本気のあんたとやらなきゃ意味が無いッ!


そんなことに…
価値なんか無いわッ!」








しばらく沈黙が続く。









錬は決心し、

   ・・・
二本のトンファーを錬成した。








  ・・
錬「殺すわよ…館長。」



































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