三十三話
三十三話 少女と全力のアレイスター・クロウリー






自分のスパイという行動がこの町を殺した。

アレイスターは何とも言えない
罪悪感に締め付けられる。


ひっそりと
協会を抜け出し、

それから200年の間、
陰で錬を見つめながら
魔術を独りで学んでいた。










アレイスター「君の記憶が
戻りつつあったのが
分かったから、

私は殺されるのを覚悟で
君をここへ連れてきた。





ここなら現世より、
  ・・・
君のチカラで騒がれる事も
無い。





やっと罪から解放されると思っていたんだッ!!



それなのに…、


今は、自分が死ぬのが
とても怖い…。」










錬「当然よ館長。



稲瀬や、千代女や、
奈波や、リュカー…、

それに月花。





こんなに愛されている
あんたが、
死ぬのが怖くないなんて
事は無いわ。」







アレイスター「私が…、
愛されている…だと?」








錬「じゃなきゃ、

みんながここへ来るはず
無いでしょう。



まあリュカーは火傷で動けないけどね。」










錬はトンファーを捨てる。







錬「もう一度言うわ館長。




私と本気でぶつかって。



私が生きる理由、

館長が生きる理由、


全部を私とぶつけ合って。





私達は
もうお互い『殺人鬼』。



あんたの償いと私の償い、


あんたのケジメと
私のケジメ。



全部を私とぶつけ合って
欲しい。」








アレイスター「…。


分かった。」










アレイスターは立ち上がる。









アレイスター「誓おう。


君がそれを望むのなら…、
錬、
これは私の償いではなく、ケジメとして
受け取ってくれ。





私も君と
全力でぶつかろうッ!!」











ヴァウン!!!!!









アレイスターの足元に魔方陣が
現われる。










月花「結界を張ります。」





月花は稲瀬達を結界で
覆う。






月花「貴方達も…

あ…。」






月花はレミリアと眼が合う。





そういえば先の事件で
レミリアを暴走させたのは
月花だった。






レミリア「余計なことは
考えなくていいわ。


さっさと
結界を張りなさい。」






月花「は、はい。」


















To outskirts of six roadtransmigration of
the soul.

(六道輪廻の果てに―)





The body is crushed.

(身体は砕かれ―)





The mind projects the
character with the soul.

(心は魂とともにその性を映し出す―)





Therefore, there is no meaning on this body.

(故にこの身体に意味は
無く―)





This shape, the color, and the smell are only free decorations.

(この形、色、臭いは
ただの装飾に過ぎない―)





If the resident is here.

(もしもここに住人がいるとすれば―)






It might be a demon who that is red where the
corner is grown or blue.

(それは角を生やした
赤か青の魔物だろう―)






Because here is an undermost layer of the hell and
six road transmigration of the soul.

(ここは地獄、六道輪廻の最下層だから―)













ゴゴゴゴゴッ!!!








空が暗くなり、
地面が紅く染まる。



アレイスター達がいたそこは、
もはや別の世界へと
なっていた。










稲瀬「固有結界―!?」









アレイスターと錬の周りを
幾つもの拷問器具が囲う。








アレイスター「ここは私の
イメージした『地獄』だ。




錬、
君の全てを受け入れよう。


恐れずして
かかって来いッ!!!」







空気が重く、悪寒が走る。



地面が紅いのは、
まるで血の池地獄のような光景を思い浮かばせる。










錬「地獄…ねぇ。
        ・・
どおりで居心地が良いと
思ったわッ!!!」









アレイスター「針山地獄!!」



錬「黒雨!!」







ズガガガガガッ!!!!!!!!








無数の針と黒い剣が
ぶつかり合う。




錬はその弾幕の中を
潜り抜けアレイスターに
急接近する。









アレイスター「神楽ッ!!」






神楽は錬を止める。





ズゴンッ!!!!!







錬「やっと出て来たわね。」







アレイスター「これで
終わりじゃない…。



出て来いッ!!


赤鬼、青鬼―!!!」






拷問器具の山を押し退け、今度は赤い鬼と青い鬼が
出現する。










奈波「でかい…!!」



稲瀬「あんなのが
二体も!?」











アレイスター「ここは地獄だ。

当然鬼もいる。」










錬「アイザックス―!!」





錬は巨大な鉄の人形を
錬成する。



アイザックスは赤い方の鬼に
攻撃を始める。







すると突然、
青い鬼がアレイスターを
攻撃し始める。







錬「…!?」






アレイスター「驚く事はない。


鬼は敵でも味方でもない。ただの地獄の住人だ。


生きている限り、
コイツ等は誰にでも
攻撃する。」






錬は驚いた。

この固有結界はあくまで
アレイスターの
イメージに過ぎない。





それなのに、
相手だけでなく、
自らを攻撃する鬼を
イメージするという、



言わば自分に対して有利な固有結界ではなく、


・・・・・・・
お互いに対して不利な
固有結界を創り出したのである。








錬「なんて自分に対して
厳しいのかしら…。」








錬は赤鬼をアイザックスに任せ再びアレイスターに攻撃する。






アレイスターは神楽と共に
反撃する。











錬「ねえ館長。


私は…生きてるかな?」









アレイスター「…無論だ。


君は今、
確かにここに在る。

そしてこれからも…。」








錬「そう…。」





錬の攻撃のペースが
加速する。










何でだろう?



今まであんなに
ムシャクシャしてたのに…




生きるのが不安で
しょうがなかったのに…




あんなに苦しかったのに…




あんなに悲しかったのに…







今は…、

何で、こんなにも…










  錬「胸が熱いッ!!」

アレイスター「血が熱いッ!!」











二人の戦う姿…。


二人の戦う表情…。





こんな薄暗い地獄の中で、それはとても輝いていた。







千代女「泣いているの
ですか、姉上?」





稲瀬「ええ…。

何でかしらね、
こんなところで。」





奈波「無理もない…。



俺も今更ながらウズウズ
してる。

こんなにも美しい喧嘩が
この世には在るんだな。」































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5月1日、本を読む。

5月2日、本を読む。

5月3日、本が盗まれる。

5月4日、喘息のため本が読めない。

5月5日、喘息ではなく
風邪のようだ。
しばらく本が読めない。

5月6日、黒い魔法使いが盗んだ本を持ってくる。
私が寝ている傍でそれを
読み聞かせてくれた。

5月17日、本は盗まれたまま。
続きが気になる。
でもアイツに読んで
もらいたい。
あの本は盗まれたままでもいいだろう。



そして今日も、
私はこの密室で本を読む。

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