三十五話1/2
三十五話1/2 少女と博麗神社での宴会






萃香「呑んでるかー?
霊夢ー。」





霊夢「あんたほどじゃ
ないわよ。」







錬達が神社に着いた頃には皆が集まっていた。







千代女「鬼がいますね、
姉上…。」





稲瀬「ええ…、
鬼がいるわね。」






稲瀬と千代女は自分達以外に鬼を見たことがなく、
しかも可愛い鬼だったため眼を丸くして見ていた。







奈波「よし、おい鬼ッ!

俺と勝負しな!」






萃香「おっ、
この間の魔術師だな?


上等だー!

呑み比べで
私に勝てるかー?」










錬「奈波は溶け込むの
早いわね。」





稲瀬「私達も
楽しみましょう。

じっとしていては損だわ。」





千代女「館長達は来ないのですか?」





稲瀬「リュカーは紅魔館の
魔法使いに会ってくる
らしいし、
クロちゃんと月花は
こういうのダメみたい。」






錬「まあ、
そんな所でしょうけど…。」













ミスティア「『焼き八目鰻』
如何ですかー?」






突然聞こえてくる
夜雀の声。






稲瀬「あら、
一ついただこうかしら。


千代女もどう?」







聞かれた千代女は何も
答えず、
屋台の向こう側を見つめていた。






稲瀬「千代女?」





千代女「はい!?

何でしょう、姉上?」




       ・・・
稲瀬「…ああ、あの子ね。


確かこの間の…。」






千代女「少し
お時間いただけますか?」






稲瀬「時間なんて
気にしなくていいわ。

今日は宴会よ。
千代女の好きなように
しなさい。」






千代女「かたじけない。

錬、姉上を頼む。」






錬「任されたわ。」














幽々子「おかわりー。」





妖夢「幽々子様、食べ過ぎです!

さっきから
いくつ食べてるんですか、その八目鰻!?」





幽々子「仕方ないじゃない。

美味しいんだもの…。」








二人が毎度のごとく
そんな話を
しているところへ、
一人の少女が歩み寄る。







妖夢「千代女…。」





幽々子「あら、こんばんわ。

その節はどうも。」






千代女「その節は色々と。


少し貴方の庭師と
話がしたいのだが…。」





幽々子「ええ、
構わないわよ。」





妖夢「ちょっ、幽々子様。」






幽々子「私のことは
心配ないわ。

ここで八目鰻を
食べ尽くしてるから。」





妖夢(それが
心配なんですが…。)





千代女「では、
あの桜の木の下で…。」









































ガチャ…。






魔理沙「よう。
久しぶりだなアリス。」





アリス「あら、来たの。

宴会はどうしたのよ。」






魔理沙「30年ぶりの
感動の再会の台詞が
『あら、来たの。』って
どうなんだ?」





アリス「まあ、
文々。新聞見たし、
色んな
話題も出てるからね…。」





魔理沙「何にも変わっちゃいないな、
お前さんは。」





アリス「それはどーも。


待ってて、
お茶入れるわ。」






アリスは台所へ行き、
二つのティーカップと
紅茶のパックを用意する。








アリス「お待たせ。」





魔理沙「お、悪いな。」





ティーカップに手を
伸ばしたとき、
魔理沙は何かに気付く。







魔理沙「ん?

このカップ…
30年前と変わってないな。



よっぽど
大事にしてたのか?



…アリス?」








アリス「と、当然でしょ!

モノは何でも
大切に扱うものよ!



魔理沙こそ、
よく30年前のティーカップなんて覚えてるわね。」






魔理沙「ああ…。

よく覚えてる。
よくこのカップでお前と
二人でお茶を飲んでた…。」






アリス「忘れたくなかったのよ…。」






魔理沙「…泣くなよ。」







アリス「うるさいわねッ!!


30年も待たせといて、
いつの間にかフラッと
帰ってきて…。」






アリスは泣きながら魔理沙の片手を握る。







アリス「もう、
逢えないと思ってた…。





ティーカップ、
とっておいてよかった。


また魔理沙と逢えた…。」






魔理沙「…、
すまんかったな。」







アリス「魔理沙のバカ…。



今日は
泊まっていきなさいよ。」







魔理沙「分かったよ。

アリスが
言うなら仕方がない。



今日は泊まるぜ…。」


























輝夜「ああ〜どうしよう?


高く〜振り上げた
この〜腕♪」




えーりん!!

えーりん!!





輝夜「私の〜お月様、


逆さ〜まのお月様〜♪」




助けてえーりん!!











宴会は大いに盛り上がる。






宴会の端っこで、
腰をかけて話す二人の
少女がいた。






千代女「ここ(幻想郷)の
モノ達は面白いな。」





妖夢「まったくだ…。


それで、私に何の話が
あるんだ?



勝負の約束なら
覚えているが…。」






千代女「そうだな…。


あの時の決着がまだ着いていなかった。」






妖夢「怒っているか?」





千代女「私がか?

何故?」






妖夢「紅魔館で千代女と
闘ったとき、
私は『斬る』と宣言したが…結局私はあの場で
崩れ落ちるガレキから
千代女を『助ける』行動を取っていた。





半分鬼の血を引いている
千代女なら、
別に頭の上からガレキが
落下していても
大丈夫だっただろうな…。



仕舞いには
自分の上に落下してくる
ガレキに気付かず、
敵である千代女に
助けられてしまった。




やはり、
私の太刀筋は
迷ったままだな…。」








千代女「…実を言うとな、私も迷っていたんだ。」






妖夢「…?」






千代女「私もあの時、
お前の頭上に落下してくるガレキが
眼に留まっていた。





魔眼を使っていたから
よく覚えている。



一瞬ではあるが迷った。


お前を斬るか、
ガレキを斬るか…。





その一瞬の間に妖夢、
お前の斬撃が
私の頭上のガレキを
斬り裂いたんだ。」







妖夢「だからあの時、
千代女は私に斬撃を
飛ばさなかったのか…。」







千代女「お前の太刀筋は
確かに迷ってばかりだが、私の頭上のガレキを
斬った時のお前の斬撃に
迷いは無かった。





だから妖夢、
私から言わせてもらうが、あの時の勝負は…

お前の勝ちだ。」







妖夢「いや、しかし…。」






千代女「後日の勝負の話も、これで無しにしよう。」






妖夢「だが、いいのか?



剣士としてならば、
私が千代女を助けた行為は『侮辱』に近い。



千代女が決着を望むのなら私に断る理由はない。」








千代女「構わん。


お陰で私も一つ、
大切なことを思い出せた。」





千代女は愛刀、数珠丸を
取り出す。






千代女「この刀はな、

私が小さい頃、
『姉上を護る』ために
うちの館長から
渡されたものだ。





知っての通り、
私と姉上には鬼の血が
流れている。


小さい頃から
周りの人間からは
酷い扱いを受けていた。





姉上は、
ずっと無力だった私を

慰め、勇気づけ、
護ってくれていたんだ。





私はこの刀を手にした時に誓った。

『今度は私が姉上を護る』と。





今となっては
姉上を傷付けるような輩はいなくなり、

私はこの刀を持つ理由を
忘れかけていた。





だが妖夢、
お前のその誰かを助けようとする太刀筋が、

私が数珠丸を手にしている本当の理由を
思い出させてくれた。」






千代女は妖夢の方を向く。





千代女「ありがとう妖夢。

感謝している…。」






妖夢の顔が真っ赤になる。







妖夢「…えっと、

ど、どういたしまして…。」



























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いらっしゃい。

残念だけれど、
今は安いお茶しか用意してないの。

仕事の依頼?
それとも
薬草の注文かしら?



私はブクレシュティの人形師。





今日の
注文は七色の弾幕ね。

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