三十五話2/2
三十五話2/2 少女と博麗神社での宴会






妖夢と千代女は
酒を交わしながら、
同じ誰かを護る為に刀を
握る剣士として会話を
弾ませていた。






妖夢「今度、
時間が空いてたらでいい。

千代女と
稽古をしてみたい。」





千代女「ああ、
その時は
是非よろしく頼む。」











奈波「おいおいどうした?


そろそろバテてきたんじゃねぇのか?」






萃香「まだまだイケるわ!


そっちこそ視点が定まってないわよ〜!?」






奈波「お前が小さくて
よく見えねえのさッ!!」












千代女「まったく…。

奈波の奴どうやって
帰るつもりだ?」






妖夢「あれ?

他の
二人はどこ行ったんだ?



千代女の姉方と、
錬金術師の…。」






千代女の身体がピクッと
反応する。






妖夢「千代女?」






千代女「…、

空気を読んでいるのだ、
私は。」






妖夢「は…?」






























神社の裏側―





稲瀬「月が綺麗ね。」





錬「うん。」





稲瀬「お酒、
呑んだの初めて?」





錬「うん。

正直、
このお酒が美味しいのか
マズイのかよく
分からないわ…。


不思議と
いい気分になれるけど。」





稲瀬「強いて言うなら
美味しいほうね。」






錬「ねえ、稲瀬。」





稲瀬「ん?」






錬「この約一ヵ月の間、
色々在ったね。」





稲瀬「ええ。
色々在ったわ。


嘘みたいに
あっという間だったけど。」






錬「最初に在ったのが
稲瀬だった。」





稲瀬「覚えているわ。

確か石を
投げ付けられたっけ。


痛かったわ〜。」





錬「当たってなかった
でしょうがッ!!


あの時は悪かったわよ。」






稲瀬「でも一ヵ月前と
比べて錬、
大分優しくなったわ。」





錬「やめてよ。

恥ずかしい…。」





稲瀬「本当よ。

初めて逢った時は眼が
ツーンてなってて、
外見はとても
恐かったんだから。」






錬「悪かったわね。

ツーンてなってて。」










稲瀬「錬の記憶が
戻った時もね…恐かった。」




稲瀬は下を向く。







稲瀬「あの時の錬、
初めて逢った時より
恐かったの。



今は大丈夫なの?」








錬「ねえ稲瀬、
紅魔館に
フランて子がいるでしょ。


あの子の能力知ってる?」





稲瀬「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力…。」






錬「私の強制分解なんか
よりも
ずっと恐ろしいチカラよ。



よく紅魔館へ行くからね、フランに聞いてみたのよ。

『自分のチカラが
恐くないのか?』ってね。





そしたらあの子、

『大丈夫!
なんか物凄く強い敵が
出てきたら
これでイチコロよ!!』



なんて答えるんだもの。
笑っちゃたわ。





でも私も思った。

似たような
能力持ってるのにこの子、なんていい
笑顔するんだろうって。







私のこのチカラもね、
前向きに考えれば
『錬金術』なのよ。



分解するだけじゃない、
私のこの手はモノを
創ることも出来るの。





この身体は罪に縛られ、
運命に呪われているけど、

それでも私は、
これからも
生きていきたい。」







稲瀬「錬…。」







錬「何かと気が付けば、

私はいつも
稲瀬に笑われ、
稲瀬に諭され、
稲瀬に支えられていた。





いつも傍には稲瀬がいた。

恥ずかしいけど、
これは
言わなきゃいけない事だと思うから…。」







錬は稲瀬の手を握る。






錬「あ、ありがとう。



それでッ…、

これからも
よろしくね、稲瀬。」






稲瀬の顔が赤くなる。






稲瀬「…もう!


こっちが恥ずかしく
なっちゃうじゃないの。





…それ聞いて安心したわ。

私からもよろしくね、錬。」




























錬「ねえ、稲瀬。」





稲瀬「何?」





錬「お、女の子が
女の子を好きになるのは…おかしいかな?」







稲瀬は答える。






稲瀬「そうねぇ、
『おかしくない』とは
言い切れない
かもしれないわ。」






錬「そ、そうだよね。」






錬はお酒に口をつける。










稲瀬「私は
錬のことが好きだけどね。」








ブッ―!!!






思わず錬は口に含んだ
お酒を吹いてしまった。







錬「…え?」








稲瀬「何度も
言わせないでよ、
恥ずかしいんだから…。







…貴方が好きよ、錬。」










錬は固まる。








稲瀬「…私じゃ、
駄目かしら?」







錬「そ、
そんなこと無いッ!!


ただ…。」







稲瀬「ただ…?」









私から
言うつもりだったのに、
先に言われてしまった。



恥ずかしさで
頭が爆発しそう…。












錬「私からも言わせて…。」







錬は稲瀬の手を強く握り、覚悟を決める。










錬「私も…、

私も稲瀬のことが好き…。」






次の瞬間、
稲瀬が錬に顔を近付ける。





二人の唇がつながる。










錬「ッ…!!」









稲瀬の口から微かにお酒の味がする。




やだッ。

変な気分になっちゃうよ。









錬「ぷはッ。」






稲瀬「息止めてたの?」






錬「だってあんな
いきなりされたら…。」







稲瀬「可愛いわ。」






錬「う、うるさいッ!」






稲瀬「もう一回してみる?」






錬「え…?


う…、うん。」




















再びつながる二人の唇。








頭がボーッとする。





このまま夜の闇に
溶けてしまいたい…。















バシャッ!!!






文「ネタの提供、
ありがとうございます!



お熱いですね〜、
お二人さん。」








錬「カッ、カラス!!



いつの間に!?」






稲瀬「あら、
見られちゃったわ。」






錬「呑気な事言わないで
稲瀬ッ!!



あっ、コラ
逃げるなカラス!!!」






文「嫌ですよ〜。



一面は流石にマズイんで
真ん中辺りにドカッと
載せますかね。」








錬はアイザックスを錬成する。





錬「捕まえ…



いやこの際カメラごと
叩き潰しておきなさい、
アイザックス!!!」







文「あやや、

流石にマズイですねー。」





















美鈴「あれ、
神社の上で
弾幕が飛びかってますね。」





レミリア「面白そうね。


咲夜、
私達も混ざるわよ。」






フランドール「お姉様、私は?」





レミリア「貴方も加わりなさい。

チカラを
最小限に抑えるのよ。」






フランドール「任せてお姉様!」








霊夢「ちょっと!


神社が壊れちゃうわ!!」






輝夜「私達もやりましょう永琳。」






永琳「聞いたわね優曇華、てゐは…、

もう戦闘に
加わってるわね…。」









霊夢「あんた達までッ!!



もう皆まとめて
退治してやるわッ!!!」









奈波「もう…呑めん。」
萃香「もう…呑めん。」













こうして30年ぶりの宴会は慌しく幕を閉じた。




























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時計は時を刻むもの。

時計は過去を刻めない。

時計は
未来を刻もうとする。

時計は今を刻むもの。





貴方の時計は何を刻むの?




私の時計はここに在る。


私を刻む月時計。

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