◆2014年1月1日(水) 【[奇跡＝生命＝夢]】 2008.4.27 今は私の部屋の中 窓越しに星が一個だけ見える なんでチカチカと光りを放つのだろぅ あなたは生きているの？ 寒い部屋の中 電気もつけないで真っ暗だ コンポの電源が入ってて水玉の光りがスーッと動いてる 私は今、何をしてるの？ ベットから出れずに 動くのは手だけ ベットの横には車椅子 そして制服とかばん 私にとってはありきたりな毎日の風景 こんな毎日が当たり前 私は生きている意味があるの？ 毎日それを問いかけている なんで生きているのか なんで足が動かないのか なんで毎日が辛いのか なんで毎日のように涙がでるのか 助けて欲しいよ 苦しいよ こんな人生嫌だよ また涙が止まらぬ時間になる こんな私にも彼がいる 同じ下半身不随の彼が 同じ病院のリハビリセンターで知り合い お互いのことが凄く通じ合う 私を助けてくれる支えとなる存在の彼 いつもこう乱れた時に助けてくれる 彼はとっても必要な人 死にたいと言えば 親だったら泣きながら説得するが 彼は逆に怒ってくれる お前バカじゃねえのかって 死んで何になる 死んで誰が喜ぶ 親はどうする、友達はどうする みんな無くなるんだぞ？悲しすぎるだろ、って こんなバカな私を心から怒ってくれる こんなに私のことを考えとくれる人なんて今までにいなかった だから嬉しかった だから今、とっても彼が好き 彼の趣味は野球だった 昔から野球が好きで、ずっと続けてきていたのに いきなり襲った交通事故が 彼の夢と希望、やりがいを失わせた 彼だって苦しいはずなのに いつも前向きに進んでいる いつも私を助けてくれる 辛くないの？ と、一度聞いたことがある 彼は 辛くないよ、と答えた なんで？って聞いたら まだ生きているから これだけでもまだ幸せなんだよ なんで？私は生きているだけで辛いと思ってるのに なんで彼は幸せなんだろ？ そして彼はｷｬｯﾁﾎﾞｰﾙをやろぅと言い出して やり方よく知らないけど、初めてのｷｬｯﾁﾎﾞｰﾙをしてみた ｷｬｯﾁﾎﾞｰﾙが始まって、私の予想通りボールは彼のいない場所に飛んでゆく 彼はその度に笑いながらボールを取りに行ってくれる そんな何気ない優しさが私を楽にしてくれる フワーッとした見やすいボールで 彼の優しいボールは私の胸にしっかりと投げられる でも彼のボールはなぜか重たい なんでだろ？幸せだから？ 幸せだからって重く感じるはずないよね？ ｷｬｯﾁﾎﾞｰﾙの途中で彼が言った 『なんで俺は生きていることが幸せかっていうとね、 確かに俺はあの交通事故で足を失った… けど夢を失ったわけじゃないんだよ 確かに歩けないけど、今こうやってｷｬｯﾁﾎﾞｰﾙをすることが出来る 今こうやって話すことが出来る 今こうやって笑うことが出来る 今こうやってお前と一緒にいれる 生きてさえいれば夢は必ず見つかる そして夢を追うことができる そして夢を実現させられる時もある 夢があることは幸せなんだ 死んだら何もかもが無になってしまう せっかく手に入れた生命をさ 今辛いからって無にするのは悲しいだろ 何千億分の１、何千兆分の１、そんな確率の世界じゃ表すことが出来ない数字の中でこうやって人間として生命を掴むことが出来た そんな奇跡の中、今こうやって夢を追い続けられている だから不幸だなんて思わない 今生きていることももしかしたら奇跡なのかもしれないから 今奇跡の中で生きてられてるって思ってたらなんか楽しくないか？ もしかしたら本当に消えていた命なのかもしれないから だから俺は今生きていることに感謝してるんだ だから、俺は幸せなんだよ』 …私は泣いていた なんか自分が愚かだったから 彼の強さは本物なんだと実感した 奇跡…か… じゃぁ今私が生きていることも奇跡なんだよね 奇跡って、凄いんだな… ｷｬｯﾁﾎﾞｰﾙはまだ続いている ボールが夕焼けに照らされている中、ずっと… 相変わらず私のボールは彼のいない所へ飛ぶ 捕りにいく度に見せる彼の背中は さっきより大きく見えた 彼の心を知ったから 凄く大きな心だと 私は彼の背中を追ってゆこうと思う きっとそれが…私の夢であり、私の幸せでもあるから 奇跡…私はこの奇跡という幸せをずっと噛み締めて 彼と過ごしてゆこうと思う 奇跡＝生命＝夢 これは真実だ [▽追記] [感想] [感想一覧(4)][更新通知] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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