齊香囗_

◆2014年3月1日(土)
【〜in my heart...〜】
2009.7.20



あなたの温もり

あなたとの約束

あなたとの思い出

あなたとの日々





あなたがこの世から

姿を消した時から

それは全部

消えていってしまう...





大切な人の死は幸せを不幸へと変えてしまう


楽しかった思い出が
辛い思い出に


幸せだった日々が
過酷な日々に





わたしの支えになってくれたあなた

わたしを笑顔にしてくれたあなた

わたしに幸せをくれたあなた



どうしていなくなったの?

どうして一人にしたの?

どうしてもっと一緒に
幸せでいられなかったの...?





あなたがいなくなった以上

どんなに
泣いても
悔やんでも
願っても
叫んでも

もう戻って来ないってはわかってる

もうわたしの所に…もうこの世界に
現れることはないってわかってる


わかってる…けど辛い

あなたを思い出す度に
苦しくて、寂しくて

涙がいつまでも止まらなくて...


いつまでもあなたと一緒にいた

思い出という時間を消すことができなくて...





涙を流すことでしか

わたしは現実と向かい合うことができない





…わたしに幸せはありますか?


…わたしに生きている意味はありますか?


…これから先、心から笑えることはありますか?


…もうわからない、わたしがなんなのか...





机にある写真を取り出した

二人で初めて旅行に行った時に撮った写真

二人が飛びっきりの笑顔で写っている



その写真を見てわたしは微笑んだ

そしてまた涙がこぼれ落ちてきた

写真の上に涙の雫が飛び散り

濡れた写真をわたしは抱きしめた…





しばらくして

その写真をまた机の上に戻した



わたしは

「さよなら…」

と、つぶやき



机に置いてあったカッターを右手に持った

刃を出し、カッターを両手でつかみ

のどに刃を押し当てた



目を閉じ、手を動かそうとした



その時



わたしの手に、水滴が落ちたのを感じた



驚き、とっさに目を開けた


わたしの手を誰かが
力強く横からつかんでいた



手の先を見たら



もういないはずの

あなたがいた...





あなたは下を向き泣いていた


わたしは驚きをかくせず


全身の力が抜け
カッターが手から落ちていった


あなたはわたしの手を離し


わたしにビンタした


そしてわたしに


『死ぬな、バーカ』


そう言って、大きな手でわたしの頭に手を置き

わたしの髪をクシャクシャにした





わたしは

なんであなたが今、目の前にいるのかも

なんでわたしの自殺を止めたのかも

なんで今、頭に手が置かれているのかも

なんでほっぺが痛いのかも

今の現状、なにもかも、何を考えてぃぃのかも

わけがわからなくなって

何もできなかった...





あなたと見つめ合い、数秒が経ち

何がなんだかわからないわたしは

あなたに「どうして…?」と小さい声でつぶやいた



そうしたらあなたは何も言わず

頭に置いていた手を

ビンタしたわたしのほっぺに置き

ニッコリ微笑んだ



わたしは身動きが取れず

ずっと驚いたままの表情で

あなたを見つめていた



あなたはわたしのほっぺに置いていた手を降ろし

口を開いた



『なんで死のうと思った?』



わたしは下を向き、言葉を返せなかった


弱い自分を見られるのが嫌で


辛かった、苦しかったという
一言が言えず



沈黙が数分続いた


わたしはずっと下を向いたままで


あなたの顔を見ることができなかった



先にあなたが口を開いた



『…辛かったんだろ?』



そう言われ、わたしは小さくうなずいた...



思っていたことを言われ

ただ辛いというだけで

人生から外れようとした自分が情けなくて

わたしはまた、涙を流してしまった



弱い自分を見られたくなかったのに...

涙なんか見せたくなかったのに...

どんなに涙をこらえても

そう思うと悔しさが増し

涙が止まらなくなった





あなたは手をわたしの肩に置き

自分の胸へとわたしの身体を持っていき

軽く抱きしめてくれた



わたしはその胸で泣いた


もう悔しさなんか関係なく


ただあなたの温もりが

懐かしくて...温かくて...


辛かった、死にたかった


でも本当は助けてほしかった


誰かに助けてほしかった…





あなたは言った





『現実を見るのは簡単だ

現実から逃げるのも簡単だ

でも現実と向き合うことは難しい

それは誰もが知っていること

お前は今、現実から逃げようとした

そんなこと誰も願ってなんかねぇ

誰も望んでもねぇ

悲しむ人が増えるだけだ

お前はとんだバカヤローだ』



『辛いのはわかってる

苦しいのはわかってる

俺だってそんなお前を見ているのは辛いんだ


…でもな、逃げちゃいけないんだよ

いつだって現実とは向き合わなきゃいけないんだ』



『人は泣いた分だけ強くなる

辛い経験をした分だけ強くなる

そして強くなっていつか笑える時がくる

笑った分だけ人は前に進むことができる

前に進んだ分だけ幸せが生まれる

けど前に進んだ分だけ

また新たな壁が生まれる

そしてまた泣いて笑って

人は強くなっていく

人生はそれの繰り返し

逃げれば壁は大きくなり

挫折が生まれる

逃げたら負けなんだよ』



『強くなれ

いつか笑える日がくる

いつか心から幸せを感じられる日くるから

信じな、俺はずっとお前を見守ってるから

前を向きな、お前なら出来る』





…下を向いていたわたしは顔を上げた


そしてあなたの顔を見つめた


あなたは笑っていた


優しい...


包み込まれそうな笑顔だった…





わたしは今、どんな顔をしているだろう…?

きっと泣きすぎて

グシャグシャな顔になっているんだろうな


けど、あなたに負けずとわたしも笑ってみせた

まだ涙が止まらなくて

目は腫れて、口も思い通りに動かなくうまく笑えないけど

気持ちだけでもあなたに届けと

あなたに笑ってみせた





そうしたらあなたはまた微笑み

『ひどい顔だなー』って笑いながら言ってきた

「ひどい...」とわたしはいじけた態度でつぶやき

あなたの体にくっついた



『よく笑えたな、良かった。』とあなたは言った

わたしは嬉しくて
「ありがとう」って言い返した

そして笑顔で「強く抱きしめて」と言って

自分から抱きしめた



あなたもわたしの体をギューッと抱きしめ

わたしはあなたの温もりを感じた





しばらくして、わたしの意識はいつのまにか消えていて



気が付き、起きたらわたしは机の横で倒れていた



必死にあなたを探したが

あなたの姿はなかった



夢…?と思い周りを見ていたら

手元にはカッターが落ちていて

鏡を見たらわたしのほっぺは赤く腫れていた



ほっぺに手をやり

「夢じゃない…」とつぶやいてみたが

あなたはいない



まぶたは腫れていて

意識が消える前にあなたと抱き着いていた
感覚もなぜか体は覚えていて

わけがわからなかった...


ふと机の物を見ていたら

白い紙があった

それは形から見ても

大きさから見ても

死のうと思う前に抱きしめていた写真だった

さっきまでは二人が飛びっきりの笑顔で写っていた写真だったのに

何も写っていない写真になっていた





その写真を取り出し

抱きしめ、わたしは

「ありがとう」とささやいた

なんでかはわからない、けど

なんかこの写真がわたしとあなたを

出逢わせてくれた気がしたの

二人笑顔で写った写真

あなたはこの写真から出てきて

辛いと泣いていたわたしを

笑顔にさせてくれた気がしたの

気のせいでもいい

そう信じたかったの



わたしはその写真をずっと抱きしめた

そして心に誓った

逃げない…強くなるって...





あなたがわたしに教えてくれたから

あなたがわたしを抱きしめてくれたから

わたしは生きる

今て向き合う

いつかまた、心からあなたに

笑顔でありがとうって言えるように...





あなたはいた

わたしの心の中に

この世にあなたはいない

でもわたしの中で生きているの

あなたが守ってくれる

支えてくれる

わたしは強くなるよ

前を向くよ

ずっと一緒に歩いていこう...

ずっと一緒...








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