齊香囗_

◆2014年3月26日(水)
【【余命〜3枚の手紙〜】】
【余命〜3枚の手紙〜】

〜2011,7,26〜





あなたは

愛する人を失ったことは

ありますか?



私の彼女は

21歳という若さで

この世を去りました



「拘束型心筋症」…

50万人に1人が患うと

いわれている難病で

心臓の筋肉が硬くなり

血液を十分に送り出せないという

現象の病気である



突然死の可能性もあり

非常に危険な病気で

治すには心臓移植を必要とする

そして1億5千万…

それほどの予算も必要とし

米国などに行かないと

手術ができない



その病気が

私の彼女の命を

奪い去っていきました








苦しかったよな…


辛かったよな…






団体の募金活動にて

必要な金額に近づいたにも

肝心なドナーが見つからなく

彼女は手術もできないまま

病室のベットで

息を引き取った





今でも思い出します

病室でのキミの横顔

話している時に

無理しているだろうなってわかる

満面の笑顔





余命を宣告されてから

キミは本当に頑張ってた

強く生きていました



いつも隣にいた

私にはわかります



彼女は今と闘い

生きていました





私はキミの支えとなっていたのかな…?

少しでも

幸せと感じられる時間を

与えられたかな…










疑問があっても

もう話すことができない

考えても考えるだけ

辛くなっていく一方の記憶

記憶から生まれる、過去の恐怖

恐怖から溢れ出す、人生の残酷さ

そして

生死という、必然の壁...





私は今、それと戦っています





キミはいつも明るく

元気な子でしたね

笑い上戸なんだか

いつも話すときは

笑っていて

そして負けず嫌いで

何をするにも

意地を張る子で

負けを認めると

泣きそうになって

でも優しくて

真剣に物事を

考える子で...





いつしか倒れて

病気を患っていることを知って

先が長くないってことも知り

気持ちが不安定になり

鬱になり

病室で生活するようになり...





少しでも支えになりたいと

毎日病院に通い

いつもするような

くだらない話しで笑い合いい

明るく振る舞っているのはわかってた

けど、笑ってる姿を

見ているだけで安心できた



たまには外出し

お互いの将来を語って

でもキミは

将来が不安だと

泣きそうになり



私は

「大丈夫」

「頑張ろう」

それぐらいしか言えなくて

助けてやれない

自分がみじめで





いつしかキミが言っていた

「結婚したいな」って夢



叶えてやりたかったな...



夢を叶えてあげること

できなくてゴメン...



約束を全部果たすこと

できなくてゴメン...





キミが隣に居なくなって

後悔だけが

頭の中をさ迷う



あの短い時間の中で

どれだけの元気と

勇気と

幸せっていう時間を

与えられたのかと...

ちゃんと与えられたのか?…と





無力な自分を

責めるばかりで

まだ前に

進めていません










告別式の日に

キミの親から預かった

キミが病院で

私宛てに書いた手紙





1年経った今でも

開けていません

開くのが怖くて

読むのが怖くて




読んだ瞬間に

また苦しい過去を

思い出すのではないかと



また挫折し

もう二度と

進めなくなるのではないかと

ずっと恐れて

開けなかった…





ずっと内容は気になっていた



闘病生活で頑張っているキミが



必死になって書いた



文章、言葉を



病気になる前の楽しかった思い出を書いているのか



闘病生活の時の苦しかった思いを書いているのか



いつも話してた将来の夢を書いているのか






そんなこと考えて…

読めばすぐにわかる事って

そんなことはわかってる

わかってるけど

その勇気が出ない

いつまでも弱い心で

引きずってばかり

それで1年間も

さ迷ってきた









でも、もう1年も経ったんだ

いつまでもこのままじゃいけない

強く、なりたい

新しい一歩を踏み出したい

前に進みたい...





キミの戦ってきた日々

思いを知りたい...





そうやって無理矢理な思いの勇気を

振り絞って、私は手紙を手に取った



封を開け

中には3枚の手紙と

手作りのミサンガ





1、2枚目の手紙には

出逢った頃の話

付き合った頃の話

病院生活の頃の話

あの日、あの時の事が

賢明に書いてあった








読み続けているうちに

涙がこぼれ落ちてきて

手紙に何粒も浸っていった







あの時の出来事が

まるで昨日あったかのようで

懐かしさと

切なさで

涙が止まらなかった



そして、3枚目の手紙には

…感謝の気持ち。










「私が精神的に安定していなかった時

ずっと下ばっか向いてた時

言ってたよね?

【空を好きになれ

太陽を好きになれ

星を好きになれ

そうすれば

下を向くことはないだろ?】

私はあの言葉で

空を好きになったよ

少しでも前向きに

いこうって思ったよ

今を大事に

生きようって、思ったよ

多分、手術ができる日までに

私の体は間に合わないと思うの

これはネガティブとかじゃなくて

自分にしかわからない感覚っていうか...

もう、本当に長くはないって思うの

諦めはしないよ、諦めない

生きるって決めたもん

今がある

それは生きてるってこと

それを教えてくれたのは、あなたです

残りの時間

私は笑顔で精一杯生きる!

私を支えてくれた

人達を心から愛する

後悔はない、って言ったら

ウソになるかもしれないけど

私は幸せだったよ

苦しかったけど

幸せだった

傍に居てくれたのが

あなただったから

幸せだった、本当に愛してる

もし私が

空の雲の上に行ったら…

私の分、笑って

私の分、世界を愛して

私は空から

見守ってるから

ずっとあなたの

幸せを祈ってるから

私の分…強く生きてね

短い時間だったけど

あなたのおかげで

愛する人と一緒に

時間を過ごす幸せ

今、生きてるっていう

その幸せの意味がわかったよ

少しでも傍に居てくれて

ありがとう

そして...さようなら。」











私は号泣していた





時間が止まっているような気がした





目の前に





愛する彼女がいるような気がした





視界には移っていないけど




なぜか居る気がした





今日、この手紙の事を





話ししにきたかのような





そんな雰囲気がした





キミの思い、受け取ったよ

幸せだったんだね?

こんな自分でも

支えてあげられてたんだね?

良かった...

本当に良かった...

見守ってくれてたんだね

空から



ゴメンな

前に進めてなくて

キミの分、生きるよ

強く生きていくよ

またこれから

新しい一歩を

踏み出そうと思う

頑張るからな








空を見上げた

夜の空…今日は曇り空



明日は…晴れるかな?



もし晴れたなら、私はキミに

手紙を送ろうと思う

心と心の手紙

私からの、最後の手紙





「あれから1年

キミが雲の上に

行ってから

もう1年が経ったよ

キミは新しい場所で

進めているかな?

元気でやっているかな?

新しい幸せに

出逢えたかな...?

私も前に進むよ

苦しい日常だったけど

新しい自分の道に

一歩ずつ進んでいくよ

ずっと、見守っててくれ

ありがとう

そして...さようなら。」










届くかな?この思い





届く...そう信じるよ










夜が明け、朝日が昇ると

地上を包み込むような

青空が広がっていた





信じていい





さようならした2人の心は




まだ繋がっている





地と空の間で





心と心の線が繋がっている




ずっと続くといいな

2人の思い出が作った

この、幸せの青空...









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