氷龍詩集

《最後のバスケットボール》
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《第二話:過去》







―――4年前。9月。




俺、南川竜輝(みながわりゅうき)は、市内の高校に通う2年生。


成績は特に良いわけでもなく、悪いわけでもなく、ごくごく普通といったところ。


それでも、将来は獣医になるのが子供の頃からの夢である。
獣医科大学に合格する自信は・・・・今のところ無い!


仮にも医者を目指しておいてあれだが、まぁ…なんとかなるだろう…。


今の俺は勉強よりも部活のバスケに力を入れている。
うちの高校は県内でもトップクラスの実力で、過去に一度、インターハイに出場した事がある。


それ以来、出場を逃し、今年のインターハイも出場出来なかった為、ウィンターカップ(全国高校バスケットボール選抜優勝大会)出場に向けて練習にも力が入っている。


夏の体育館は蒸し蒸ししていて暑さでへばりそうだ…。


夏は蒸し暑く、冬はくそ寒い体育館てなんなんだろう。


俺のポジションは中学ではF(フォワード)だったが、高校に来てからは背の高い人が多く、G(ガード)になっている…。


「あっちぃ〜…今日もキツかったなぁ…ジュース買いに行こうぜ?」


入部してから一番仲のいい、北山健太。こいつは185cmもあってイケメン。さらには成績も優秀ときた。
性格はとにかく明るい。いわゆるムードメーカーてやつだ。


高校入ってからも身長があまり伸びず165cmしかなく、イケメンでもなく、成績も普通の俺とは正反対である。


『天は二物を与えず』


などといったふざけたことわざがあるが。一体、誰が考えたのか。抗議したいものだ。


だから俺は他の人よりも沢山練習するようにしている。休みの日には近くの河川敷にあるコートへ行っている。


練習の甲斐あってチビの俺もレギュラーになる事が出来た。


バスケはどうしても背が高いほうが有利だから。一度でいいからダンクをしてみたい…。


今日も部活が終わり、家路に着く。


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