僕は、その日、白い薔薇を買ってきた。 真っ白くて、小さくて、 まるで、君のようだった。 いつか、いつか この白い薔薇を 僕の色で染めよう。 そう思って、僕はこの白い薔薇を眺めていた。 僕は、約束の場所に、約束の時間の5分前に着いた。 そのときに、もう彼女はすでに座っていた。 その時の表情は、とても申し訳なさそうに、下を向いたままだった。 そっと、君の口から出た言葉 「別れよう。」 僕は、知っていた。 君が、僕と居ても、最近笑わなくなった。 君が好きだったテレビを見てて 2人で笑って ソファーに座っていたのに 君は、笑わなくて、僕から離れていった。 僕はそっけなく、返事をして、場所を後にした。 わかっていた。別れたいと思っていたのは、わかっていた。 でも、やっぱり少し哀しかった。 僕は、君が隣で、ソファーに座って笑っているのが 楽しくて、 僕は、幸せだった。 だから、なおさら哀しかった。 君は、幸せだと、そう思っていなかったんだね。 僕の中に流れる 赤い筋 いつか、いつか この白い薔薇を 僕の色で染めよう。 僕のこの色で、僕色に。 君にもう、逢えないと知った時 僕は、左手首をそっと見た 右手にナイフを持ち 左手首の上で、ナイフをスゥッと滑らせた 白い薔薇に向けて 左手首をそっと下げた 白い薔薇に、そっと垂らす赤い筋 薔薇を君と重ねて 想いつのらせ 泣きながら 言った 君を 僕のこの色で、僕色に染めたかった。 [先頭ﾍﾟｰｼﾞを開く] [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
友達に教える [編集] 無料ﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞ作成は@peps! |