見てみる(´`*)?

◆お望みどおり



「ねぇ、死んでよ。」


わたしは思わず左右に首を振った。

あたしのほかに、誰もいない。



あたしに言ってるのか。


「なんで、あんたみたいのが生きてるわけ?」


こういうのは、漫画の世界だけだと思っていた。

ここは屋上で、緑のフェンスを風がなでて

カタカタと音を立てる。


この出来事は、ほんの10分前のこと。

緑色のフェンスは、さっきよりも激しく音をたてていた。


死んでなんていうなら、自分が死んじゃえばいいのに。



わたしは、また教室に戻った。

授業中、ガラッと音をたててあいたドアに

みんなの視線が集中した。


先ほど、屋上で言葉を放ったやつは、クスッと笑って

そっと


まだ、生きてたんだ。

と、言った。


「10分遅刻ですよ、席に着きなさい。」

という、先生の声を無視して、

自分の席にいって、紙とシャーペンを取り出した。

すぐに、そいつらの名前をかいた。


書き終わって、勢いよくシャーペンを机の上に置いた。


「あなたの、望みどおりよ?」

わたしは早々と窓に向かって、窓の鍵を開けた。


ブワッと風がわたしの頬を撫でた。

わたしは窓の手すりに足をかけて、ベランダにでた。


ベランダに出て、みんなの方を向いた。

そして、持っていた紙を前に突き出した。


「貴方達が死ねって、言ったのよ?」

クスッと口だけで笑った。

その笑いは今までに見たことのないような

不吉な笑だった。



紙に書かれた数人の名前。

そいつらは、ぎょっと目を見開いた。


吹き抜ける風に、紙を置いた。

風は、わたしの願いどおり、紙を遠くへと運んでいった。


ここは4階。十分に死ねる高さよ。

死ぬ恐怖よりも、楽しさがあった。


わたしが死んだときの、こいつらの顔を見てやりたいわ。

オレンジ色に光る太陽の方へ向いて

わたしは、体を外に向け、クラスの奴等に背中を向けた。


ベランダの手すりに手をかけて

左足をかけてから、思いっきり


空へ向かって、身を投げた。

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