「ねぇ、見て。」 夜の2時、彼女は 窓の外を指差して、言った。 「あの月に、何がいると思う?」 彼女は、とても冷静に、静かな声で言ったけれど 僕には意味がわからなかった。 だから、僕は「うさぎかな?」と、クスッと笑った。 けれども、彼女は表情一つ変えず、 さっきよりも、もっと 真剣な表情で言った。 「私、あの月に行きたいわ。行ってみたいの。」 彼女の突然言った、言葉という弓が 僕に引っかかった。 「それでね、あの月に行ってみんなのことを見るの。 もっともっと、照らしてみたい。」 僕は、口をとがらせたまま黙った。 . . . . あの月よりも、君はもっと輝いている。 そう、僕を照らしているのは、月よりも もっともっと輝いている 君なんだよ。 「行かないで」という、言葉一ついえない僕は 何も言わずにそっと、彼女を包み込んだ。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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