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†詩†
bino bianco(白ワイン) グラスを片手に
調合するは 「月の涙」
硬い “思い”の 蝋を溶かす
開封御用達の 「月の涙」
銀の半球器に 注ぎ込むは･･･
白の虹色輝き ムーンストーンの小さな欠片
宝石を パチンと指を鳴らして変えた エメラルドの鍵1つ
毒ではあれど 使いようによっては････の水銀
それらを全て 封筒と同じ“思い”の重みだけ
水晶の天秤で量って 注ぎましょう
――ん？ signore ネーロ
おやつならばもう先程････おや？
咥えていらっしゃるのは 勿忘草の････
ああ、すっかり失念しておりました!!
Grazie! signore ネーロ
“封印手紙”の開封に欠かせないのが
勿忘草の つぼみを一つ
器に入れたら
火にかけましょう ゆるゆると
そう――銀の半球器が溶けぬよう
手の平から出でたる青き炎で ゆるゆると
最後に一つ 隠し味
書き手の形見
漆黒に 金色の飾りとペン先――万年筆
･････それを 青い光に変えて加えて･････
―――後は暫く 待つばかり
あら熱を取って 白銀色の
「月の涙」に なるまで･････と
ああ テン君 いいところに来ましたね！
休憩にダージリンを一杯
――頂けますか？
†小解説†
前回から続くお話。
ビンキーノは開かずの封筒を開けるための何かを調合しているようですね。
「月の涙」とかいう液状の物。
魔術薬の調合なんて、魔術師ビンキーノには、お手の物なのです。
※使用BGM【第１変奏／EDITH PICHT-AXENFERD／バッハ：チェンバロ名曲集ゴルトベルク変奏曲《エラート・アニヴァーサリー５０(36)》】
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