†小解説は最下部に†
………ご覧ビンキーノ、
もうあんなにたくさんの人々が扉の向こうに並んでいるよ。
人間たちの罪は存在し続けるんだね。
どうして、もっと先駆者を省みないのだろうね。
何度も何度も
私は同じ罪を秤にかけて
……ああ、どうして
…………ほうら、また来た、
ビンキーノ、また来たよ…
たまに、天秤の上から溢れ落ちるほど強大な罪を抱えたお客様がいらっしゃる。
本当に、ここに来ないで、真っ直ぐ奈落に行っていたら、
どんな面白い辱めを受けていたものやら……
a…nn… いや、失礼。
ええ、勿論ワタクシの力を以てすれば、
如何様な罪やら罰も
蝋燭を吹き消すほどの痛みに変えて差し上げましょう。
hu．．……
いつかワタクシのお師匠様が言っておられた。
毎日が同じ。
毎日が同じような罪を計ることの繰り返し、だとね。
飽きが……来たとね。
ご安心を、今は亡きお師匠様。
このビンキーノ=ジョゼフ、
その名ジョゼフを受け継いだ時からいまに至るまで、
まだ一度も飽きなど感じた時がございません。
いやむしろ、人とはますます興味深い。
学ばぬ生き物！
なんたる道化！！
ほうらまたワタクシは、唱える
uno…due…tre…
それでは貴方も
永劫の時を おやすみなさい
†小解説†
ﾋﾞﾝｷｰﾉ＝ｼﾞｮｾﾞﾌ シリーズ5作目。
ええ、ﾋﾞﾝｷｰﾉ＝ｼﾞｮｾﾞﾌには師匠がいたようですね。
受け継がれている“ｼﾞｮｾﾞﾌ”の名。
それを受け継ぎしﾋﾞﾝｷｰﾉ。
彼は彼の師匠と違い、日々に飽きは感じていないようす。
ええ、それはそうです。
何故なら、
この世界こそが、彼の不思議そのものなのだから。
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