2013年03月15日(金)【『フレンチベージュの有翼独唱者(ｿﾘｽﾄ)』 京都 「小夜啼鳥展」の為のエスキース】
テールコートを投げ捨てて
片眼鏡を掛けなおす
降り立つ優美
フレンチベージュの山高帽
純白輝くドレスシャツ
ともにフレンチベージュの翼揺れ
軽く一礼
“探しましたよ 泣き虫さん”
尚も大仰 無言劇(ﾊﾟﾝﾄﾏｲﾑ)
黄金の髪を揺らめかせ
胸にアドニス忘れずに
細めた瞳 唇語る
“アクアマリンは大切に”
“わたしだけに捧げなさい”
乙女の瞳に溢れる雫
キラリ儚い濡れた宝石
さらう様にそっと拭い
わたしだけが 手に入れた
代わりに貴女にアドニスを
口に手を添え
宥める瞳は空の色
《《貴女に歌を捧げましょう
貴女だけに捧げましょう
声が嗄れて消えようとも
咽が赤く裂けようとも
宵に艶めき声色誘欲
貴女だけの独唱者》》
貴女は微笑み手を伸ばす
咽にそっと手を触れて
震える音を確かめる
刹那の相愛 否 終わり無きよう
アドニス：アネモネ(花)の別名。
ギリシャ神話で美少年アドニスが流した血から生まれた花という伝説から。
花言葉は儚い恋。
13:46
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