2013年08月15日(木)【ごきげんよう導化】
私の頭の中には最近常に
舌をペロリとだして
馬鹿にするように或いは
自嘲するような顔をさせる者がそこにいて
その者は憚る事を知る故に
憚られる事を生業とし
常に人々に一泡吹かせたいと感じ
何か度肝を抜く事柄がないかと
探している
その者は歌を歌うときはよく張りのある声で大きく響かせて歌い
かと思えば小声でも良く通るジャズすらも歌いこなす
強いて言うならば強弱による感動の意味を理解し
更にはそれにより生ずる聴き手の感動をも操作出来た
またその者は絵を描くときに酷く美しい絵を描くことを好んだ
多次元の虹色をこよなく愛し
それがもたらす癒やしの追究に余念がないがと思えば
酷く猟奇的で耽美な情緒をも好んだ
強いて解説するならば天使の生ずる如き神聖さと
悪魔を召還させ得る妖艶な美の感性を愛し持っていようと心掛けていた
最後にその者は人道を重んじ最低限の礼節を忘れぬように心掛けていた
同時に全世界をはじめとする全てを打ち砕くほどの衝撃を
その胸に持ち育む事を忘れなかった
どんなにか平凡を生きていようとも
常に非現実がその身の心中に存在して成長させられることを知っていたから
存在する世界はあたかも平凡と幸福を良しとする傾向にある
それでいて何か特別な非常を常に求めている事も事実だった
そしてその非現実は現実有っての賜物だと言い聞かせ
現実の平凡を大切にする事に勤めた
様々な二面性を身内に抱えながら
ここまで思考し
ペロリと舌を出して
馬鹿にするように或いは
自嘲するような顔をさせる者を思い出したとき
ああそうか、と
それは “私” だ、と
合点がいった
ごきげんよう
愛すべき隣人よ
23:28
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