2015年06月28日(日)【【序-１】傍観者の備忘録 少年の希望の国】
少年は考えていた
ありふれた物などないと思ってた
特別なものさえもないと思っているけれど
だけれど全てが曖昧で
どうしてあんなに頑張ったんだろうと
どうしてあそこまで一生懸命になったのだろうかと
疑問の答えは虚ろなままだった
この世界に絶望していたつもりじゃないんだ
あの時まで
この世界がきらいじゃないんだ
あの時までは
むしろ好きになる努力をしていた
今はもう
学校の校庭入り口門の前塀の上
少年は紙とペンを置いた
今日は何も思いつかない
いやもう
ずっと思いつかないかもしれない
何一つ気持ちの整理がつかない
いやつける必要があるのか
いやない
ーーいやある！
どうするつもりだ
どうするのが正しい
どうするのが必要か
なんて苦しい!!
ーーー僕は……!!!
ーーーーーーーーパチンッ
少年はどこかで音を聴いた
これは指を鳴らした音だろうか
ーーーーーーーー3（Tre）
今度は声も聞こえた
なんだ？3？
その声はまるで
踊るような煌びやかで
ーーーーーーーー2(Due)
それはまるで
誘うような心地よさで
ーーーーーーーー1(Uno)!!!
辺りに風が吹いた
下から巻き上げるように
まるで何かが始まるように………!!!!
ガタンッと
少年は塀の上で寝ていた
よだれを拭いて起き上がった
どこまでが現(うつつ)だったのだろうか
ともあれ紙とペンを持ち
ため息一つ
少年は帰路についた
ポケットのチケットが
ほんのり輝くのも気付かずに
(【序-2】傍観者の備忘録 少年の希望の国へ続く)
22:47
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