2015年12月19日(土)【おろすべき記憶】
消去法で数えても
痛みの数は減らなくて
ミンナにとってどうでもいいあの言葉も
あの時のワタシには刃物のようで
身の毛がよだち
頭が締め付けられる
まるでまだ知らない
酩酊するような
困惑
確かな存在の意味が知りたくて
ずっと芸術ばかりを愛して
人間になんか目が向かなかった
はずなのに
ワタシが描き続けているのは
ワタシが彫り続けているのは
確かに人間のような形をしている
なんてこった
人間が嫌いなはずなのに
人間ばかり創ってる
この矛盾
この矛盾を放っている間に
ワタシは貴男に恋をした
全てを引きずったまま
ワタシは貴男に恋をした
なんて有り様
貴男が大好き
ワタシは人間の貴男が大好き
大好きになってしまったの
おろさなきゃならない荷物を
後生大事に抱えたままで
それでじぶんが一番苦しくて
それでもおろせなかったのは
その傷が既に
ワタシにとって確かな存在の記憶になっていたから
でも、もしかしたら、もういらないかもしれない
貴男が私を好きになってくれたなら
11:14
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