『 総ての存在に祈りを...。 』



犠牲になられた人々の死は、
必ず次の世代の『希望』に繋がる───




































其処は輝きに満ちた広大な都
強者の行く道は《正義》の行路に在る《理想》―――

祈りを胸の内に神を崇め乍
天を仰いだ人は《真実》と出逢った..。

遥かなる聖地を求めて進む足と閉ざされた《深層》の歴史よ。
許された存在の意味..。
虚無の心を満たす為に自由を求めて生きる子供達よ..。

始まる戦いを力で覆し、
獲物を見つめる鋭い目の先に在る《物語》―――

正義の旗を掲げ、敵の住む城壁を屠る。
彼方に在る勝利を奏でるのは、
理想を貫いた《正義》―――


暗愚の行動..。
殺戮者の欲望、権力者の独裁..。
邪心を持つ者が居る限り戦いは終わらない。

其れでも尚、人々は在る筈もない願いを蒼穹に向けて願う。叶う訳もない。完全な《平和》等..。

課された使命に死を恐れずして剣を握る《人》―――
信じるのは己の手に染めた《力》だけ..

花の咲く地に鮮血を迸らせて、地を紅色に染めながら踏み越えて進む《両者》は、何れ来たる命の黄昏を拒否する為に戦う。
道を切り開くのは己に抱く強い《殺意》―――

存在で異なる《世界観》は《物語》の紡ぎ方を変える。

表層から見えない《真実》は衝撃的な物語..?

閉ざされた狼達の《想い》..?

自由にさせてあげて..。
総てを捧げた者.. 共に戦った者へ冥福を。

..狼の存在を繋ぐ影の生命《神の子》――
..戦う異能者の勇気、今の現状を変える《勇者》――
..平和を望む心、安寧秩序を求める《万物の霊長》――

携えた人の《命》は血に染めて得たもの..
奪われた其の《魂》に世界を揺らがし怒り狂う人々の殺意..

止まらない衝撃と中、身を殺し乍、
《死》を恐れずして無闇に切り裂き、敵を冥府に運ぶ正義の刃―――…

→《世界の理》← が変わる事を私達は望む。


覚悟を抱くのならば捨てるべき存在を葬る..。

→《秩序》← 在る世界は其の先にきっと在るから―――




























現代の世界は、考生と知生は『不生』を世の中から葬るのが『常識』であり、其れが本来在るべき世界の『姿』とされている。

其が『世界』や『人類』を救う『道』であるから。




然し、それは《理由》になるのですか。

それは、あの『人達』だって同じ。




『数百年前』―――

『 狼に殺される事を否定せずに、今まで有難うと述べていた者が居た。 』

『 また、それを大いに称える者も存在していた。 』


何故―――?



今や忘れ去られていく『世界』≠フ歴史。

人々は安泰を求めて時代を築いて進む。



誰もが知らない世界の
秘密想い『謎』に迫る―――


『何処』かに隠されたこの
神話の→『謎』←に…

世界を揺らがす『物語』が確かに存在していた――…





































この『世界神話聖書』には言い伝えがある。












『生きる狼なる神の命は永遠なりて世界を照らす完全体』

死してしまえば、世界を照らす炎となりて、限りの在る不完全体


『破壊されてはならない守るべき地...。』

『心あったからこそ在るかもしれない世界..。』

『 絆が消えし時は、100年後の生命の終わり 』






『謎』≠ノ隠された秘密の場所―――

























「 時を越えて話をしましょう。きっと貴方に届くように。」





















―『 以下世界神話聖書本文 』―

【1】__《 神と創造 》
【2】__《 死と誕生 》
【3】__《 成立と決心 》
【4】__《 想い 》
【5】__《 子の死とやむ得ない使命 》
【6】__《 帝都ラナディスの宣言 》
【7】__《 不可解と失う信頼 》
【8】__《 滅びと隠れた真実 》
【9】__《 調査 》
【10】__《 謎 》
【11】__《 希望と夢 》
【12】__《 現代 》










――世界の誕生0年〜…=\―




この世界には『ルシア・ラウス』が誕生し、次に『ジラース・グリバ』が誕生した。

二人は『神』と呼ばれし存在で、
世界にある物体や物質、即ち―――
空気、森、空という自然。

そして地を踏んで生きる生物、即ち――
人間や虫、動物達。

これらは二人の神が『創造』し、
世界は変化を遂げ続けて成長した。


やがて、自然や人類は増え、
世界の成り立ちが安定する頃…、予期しない事実が知れる。


神…ルシア・ラウスと、もう一人のジラース・グリバと云う神は、

ルシア・ラウスと違って『異能力』を持つ神であったと云う事であった。

ルシア・ラウスは神として天地を『創造』する能力を持っていても、ジラース・グリバの様に、『魔法』染みた人を殺す事の出来る『異能力』は持ってはいない。

然し、ジラース・グリバは『善』なる神として、
持つ異能力で遊ばず、平和な世界を築き上げていこうと協力する姿勢を誓っていた。


ただ…

神は知らなかった。
否…気付かなかった。


ルシア・ラウスは天地を創造する力を持ち、
ジラース・グリバは使い方を変えれば『危険』とも云える異能力を持つ。

そして…天地、人間、自然。
創造したのは二人の『神』―――

そう、その強大な神の力が『遺伝』して、
世界に創造させた人間にも『能力』を与えてしまったのである…。


無論、人々は自分が能力を宿しているなど知らない。

また個々で異なり、
ルシア・ラウスの遺伝なのか、ジラース・グリバの遺伝なのか、
人それぞれ違うのであった。



そんな事になっている等も知らずに、
二人の神は一人の『子』を産む――――

その子は『ティアラ・イデアル』と名付けられた。


然し…


また予期しない出来事が二人を悩ませる。


ティアラ・イデアルは、ジラース・グリバと同じく『異能力』を持って産まれたものの、
自分の命を自分で、
『維持』出来ないと云う『障害』を持って産まれたのであった。

何とも弱々しく……。

放置すれば何時の日か必ず『死』する子供…


ルシア・ラウスとジラース・グリバは『決心』した。

誰かの『魂』を得ないと自分の命を維持出来ないなら、
せめても私達の『魂』を捧げよう…と。


二人は神にして『強大』な力を持つ。
その魂を貰えるのだから、
少なくともティアラ・イデアルは何百年以上も生きる事が出来るであろう。

ルシア・ラウスとジラース・グリバは『親』として、
子であるティアラ・イデアルの幸せを願って命を捧げ、
その偉大な命を絶ち切ったのであった。


そう…。遺伝して、世界に能力を持った『存在達』が生まれてしまうなんて知らずに…。


そして、二人の神の命日は90年≠ニされた。



――272年頃=\―

元より人間に生まれし者は『母』なる『知生』と呼び、

安定に生まれ出た異能者を『父』なる『考生』と呼び、

不安定に生まれ出た異能者を『子』なる『不生』と呼ぶ。



『知生』、―――無能力な人間であるが極めて貴重な存在。
中には寿命の長い知生もいる。


『考生』、―――生まれながらに特別な『能力』を持つ者。
然し、中には生まれながらに持っている能力で遊び、周囲に害を及ぼす者もいる。


『不生』、―――生まれながらに特別な『能力』を持つものの、知生や考生と違って自らの命を自身で維持出来ない身体。維持していくには他者の魂を定期的に得なくてはならない存在。



然し、この存在≠ニ云うのは、
人間に限り、一定の期間から自発するものであって、

産まれた当時の0歳からでは自分が何の存在≠ネのか全く分からないのである。

自分が何の存在であるか、
実際に自覚症状を持つのは…
『7歳』≠ゥらが平均―――。
7歳までは知生も考生も不生も&ス等で何の変わりない一般的な『人間』≠ネのである。




不生なるティアラ・イデアルを産んだのはルシア・ラウスとジラース・グリバ。

その二人の神が死んだのなら、これ以上…『異能』を持つ存在は世界に生まれないであろう。



と…そう思った。






でも、現実は違かった。

ルシア・ラウスとジラース・グリバは不生を産んだ。




なら…ルシア・ラウスの遺伝を持った人間が、
ジラース・グリバの遺伝を持った人間と一つになり、
子を産んでしまえば…

不生が産まれる可能性があるのではないだろうか……。





ルシア・ラウスとジラース・グリバは、
世界に能力者が生まれてしまうなんて知らずに死んだ。
もし知っていたなら神の力を利して、今後とも不生が生まれない様に対処出来たかもしれない。



時は遅く、時間は待ってくれない。


誰も世界の成長を止める事は出来ない。


膨大な月日を流れて……




――430年頃=\―



世の中の至る場所には沢山の不生が生まれてしまっていた。

世界に不生が産まれたのなら既に遅く、
魂を持つ存在達は次々と死んでいった。
中でも、能力を持たない『知生』は抵抗する術もなく、多く亡くなった…。

無論、それを繰り返せば何れか世界から生命は消えてゆく。

不生とて魂を得る事が出来るからこそ存在出来ている。

得るものが無くなれば消えるだけ…。

全生命の運命は何処にいくのだろう。










もう躊躇しない。
黙ってはいられない。

生き残りなる考生は『救世主』となりて考えた。

生まれながらに持つ『能力』を利して、人々を守り、厄払いし、世界を乱す不生を打ち砕くしかないと―――。

それが考生の出来る事。其れが人々の為、世界の為になるのなら躊躇はしない。

きっと、生まれながらに持つこの能力は人々を守る為なのかもしれないと信じて――――


不生は世界に存在してはならない生き物なのか。

捨てきれない自分の命の為、
不生は不生なりに生きる事を決める。


『自由』を求めて――――






――490年頃=\―



二人の神が死して400年後、神の子…ティアラ・イデアルは人の姿に化身し、
世界に在る大都市…
『王都ユナトア』へ降り立っていた。

ティアラ・イデアルが世界に降り立った理由には言い伝えがある。


『 何れ来たる狼の空腹に従わない為、亡きにした父と母の元に帰る。そして、子供達を天に還す為...。 』


と――…。
ティアラ・イデアルが自ら零した言葉であった。


ティアラ・イデアルは神≠ニて、所詮は不生=\――
何れかは人を殺して生きていかないとならない存在になるかもしれない。

然し、親の莫大な魂を貰ったティアラ・イデアルは今までに人を殺した事はなかった。

否、人を殺す勇気が無かった。
人を殺す事は神≠ニしてするべき行いでもなく、何より望ましくなかったから――






――510年頃=\―



ティアラ・イデアルは自らの命を絶ち、
死して親と同じ場所へ"『帰った』"とされた。


そして、ティアラ・イデアルの命日は530年≠ノなる。



















ジラース・グリバとルシア・ラウスを始め、
ティアラ・イデアルが消えてから20年後―――


――550年頃=\―


王都ユナトアを中心と見て、
『南』に位置した巨大都市…
名は『帝都ラナディス』(後に死都ラナディスになる)は、

世界に存在する『不生』を、
全て消し去ると全世界に『宣言』したのであった。

帝都ラナディスの8代王=\――
『ギゼ・アルマシー・ラナディス』を頭に。




確かに多くの人々や異能者は
帝都ラナディス王の宣言に賛成してくれた。

そして、大いに喜び合い、王を救世主と見て崇め続けた。






なのに……







――555年頃=\―



数名の異能者や人々は其に対して『反対』をしたのであった。

その中には"『考生』"…
"『知生』"も居たとされている。
彼達も不生に魂を喰われる対象であろうに、
何故、不生の手助けをしていたのかは不明。


其の者達が叫ぶ言葉は、

『あの者達を信じよう。必ず裏切ったりはしない。私達の中にこそ、裏切り者が居るかもしれない。今はあの者達で安定しているのだから、信じよう。』

だった。



この争いは何年も終わる事なく、

不可解な事に…

1年……2年……また5年と過ぎる度に、
帝都ラナディス王を支持する者は減っていった。


何故だろう…






――560年頃=\―


ギゼ・アルマシー・ラナディスは総攻撃を受て国を滅ぼされ、
この世界から絶ったと歴史に刻まる。

『死都ラナディス』と呼ばれる様になったのは、
その562#N頃だろう――――

そして、ずっと前から裏で動いていた影達≠ノ気付く事なく…







――565年頃=\―


荒れ狂う時代の終わり。

同時にに深まった一件が姿を見せる。


それは、多くの人々が、
ピエトラ魔石鉱≠ナ…

姿を消してしまっていると云う謎の一件であった。

各国は直ちに『調査』を開始。

調査を続けている内に、
それは、…『神』ティアラ・イデアル≠ェ亡くなってから、起き始めていたと云う事が分かった。


然し…



――566年頃=\―




その調査に関わった者達は何者かに全員殺され…

その一件は謎≠ニして闇の中へ姿を消してしまう。

後に、ピエトラ魔石鉱を調査する者は一人もいなかった。



その一件を現代では『空白の真実』≠ニ言われている様子。





――570年頃=\―



不生を消す事で、
それは生命の勝利になるのか。



『共存』する方法はあるのだろうか。


強い者は常に、弱者の上に君臨するものなのであろうか。






不生は自分達だけの為に悪事を働くのであろうか?

『虹の炎とは?』


『空白の真実≠ニは?』







現代は数多くの知生が消え、
数多くの考生が生まれ、
同じく数多くの不生が生まれた―――


世界から人々が減少していく中、 今後の世界はどうなってゆくのであろう――――


命を持った生き物同士なのに
何故か『平等』にはなれない。


正しい者は上に立つ?

そう、力こそが『正義』の答えを教えてくれる―――






強者か弱者か。

『共存』を望む者か、
『欲望』を望む者か、
『平和』を望む者か、

貴方は『考生』か『不生』か、
それとも『知生』か。

どちらに生まれ出たのですか?




――――世界をを変えるのは誰に…。











最後に…

























「 私達を見つけたのなら、貴方様は其処で、世界を見つめて判断しなくてはなりません。」


「 受け継がれた想いを叶え続ける為に身を捧げるか。」


「 感謝の意を示さずして、今まで繋がれた想いを絶ち切るか...。 」



総ては現代の主役達次第。

『神』の願う世界と裏腹に、
暴走する『狼』を貴方は変えられるでしょうか。


理想を現実に───…。























――現代『730年へ〜』=\―



時は流れて『730年』―――


現代の役者達は『世界神話聖書』を忘れ、世界で理想の『物語』を紡ぐ。

持つ異能力で世界に挑み、欲望を叶える為に人を殺し、全てを支配しようと力を使う――…。

自分達の為に―――…


そして、現代の人々は昔の人々の様に死≠キる事に感謝の意を示さない。

それは、何処かの年代で受け継がれなくなったから?

否、変わりゆく時代≠ェ人々に受け継がせなかったから。


然し、ある者は『真実』≠知っている。

人々は変わってしまっても、その者達は昔から受け継がれていた『想い』≠知りて、その為に力を振るう―――…。


過ぎた時代を取り戻す為、
確かに存在している自分達の為に。

そう、神の為じゃない。
神が継いだ想いでもなければ、神が願った世界でもない。

総ては自分達の為だけ───…


個々の立場が物語の『紡ぎ方』を変える。
また、個々の立場によって『世界観』は違う。


だからこそ、自分の信じた道を進む。

理想なる『物語』≠描く為に―――…







ー END ー


















































































































































ー 扉 ー

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